バレエヨガインストラクター三科絵理のブログ

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【レポート】レ・シルフィードを踊りました!11月3日バレエグループレッスン

11月3日(祝)のバレエグループレッスンでは、「レ・シルフィード」よりマズルカ第44番ハ長調の曲で、空気の妖精をレッスンしました!

ショパン作曲の音楽にのせて、重力を感じさせない妖精を表現するには…?今回も新しい発見がたくさんつまったレッスンになりました。

「レ・シルフィード」とは

「レ・シルフィード」別名「ショピニアーナ」は、ショパン作曲のピアノ曲を、ミハイル・フォーキンがバレエ作品に仕上げたもので、白い衣装の妖精たちをモチーフにした「バレエ・ブラン(白いバレエ)」に位置付けられる演目です。

月が現れている夜の森の中。男性の詩人が迷い込み、辺りを白い空気の妖精であるシルフィードたちが取り囲みます。とても儚い存在であるシルフィードたちは、ロマンチックで幻想的な雰囲気で、詩人を夢の中で誘い込みます。

特にあらすじがあるわけではなく、ショパンの叙情的な音楽性をいかした情景を表現する作品です。つまり、特に作品のイマジネーションが大切になります。

日本人にとって、「空気の妖精」というのは想像し難いものです。日本の文化には、西洋のような女性の姿をした森の妖精という言い伝えがないためでもありますが、西洋では、「ラ・シルフィード」(別のバレエ作品でこちらも空気の精がテーマ)や、「ジゼル」に登場するウィリー(森の精霊)などのようにさまざまなところで妖精・空気の精というのは親しまれている存在でもあります。そこで、こちらの本もめくりながら、みなさんに「空気の妖精」を表現するとは、どういうことか?を想像して、イメージを膨らませていただきました。

楽曲にはいろんなワルツ、ノクターン、華麗な大円舞曲などが盛り込まれ、シルフィードの踊りは足さばきが細かく、重力を感じさせない卓越な技術が必要とされる演目です。なかでも、今回は音がとりやすいゆったりめのマズルカ第44番を選びました。

ショパンの音楽を、あらすじのないバレエに

ショパンの音楽がお好きな方は多いと思います。ふつうはピアノ曲となりますが、「レ・シルフィード」では管弦楽曲に編曲されています。なので、音楽の印象もまた少し変わりますね。

こちらは、ピアノ曲。

https://itunes.apple.com/jp/album/%E3%83%9E%E3%82%BA%E3%83%AB%E3%82%AB%E7%AC%AC44%E7%95%AA%E3%83%8F%E9%95%B7%E8%AA%BF%E4%BD%9C%E5%93%8167%E3%81%AE3/id873016254?i=873016322&uo=4&at=1l3vnGg

こちらは、今回のレッスンで使ったバレエ作品の曲。

マズルカ第44番ハ長調 Op.67-3

マズルカ第44番ハ長調 Op.67-3

  • モスクワ・インターナショナル・シンフォニック・オーケストラ
  • クラシック
  • ¥153
  • provided courtesy of iTunes

いずれにしても、ショパンの心に響く、切なさと憂いを感じるような曲想に重きを置かれていて、役柄ごとの個性というのはありません。

あらすじのないバレエ作品のことを「プロットレス・バレエ」とも呼びますが、1907年当時の初演にしては、プロットレスの先駆けともいえる位置付けになります。

音はゆっくりな分、長くキープする

グループレッスンでは、毎回いろんな作品をやっていますが、演目によって音楽が変わります。

今回のマズルカ第44番ハ長調は、ゆっくりなテンポです。

早いテンポの音楽は、きびきびと反射神経で動いていく必要があるため、難しく感じやすいものですが、それに比べてゆっくりな曲も難しさがあります。

それは、ゆっくりなテンポの分、余裕をもってキープしないといけないということです。

これは、いろんなゆっくりした音楽をレッスンしたときに、みなさんから聞く感想です。

重力を感じさせない妖精になりきろう

バレエの世界で、妖精を踊るポイントは、重力を感じさせないことです。極めれば非常に卓越した技術が必要なので、ぜひプリマバレリーナの演技を参考にしていただきたいと思います。

重力を感じさせないために、バレエでは、足先を空中へ近づけるべく、爪先立ちになり、ついにはトウシューズまで作り上げてしまいました。

さらには、空中に跳躍したり、男性が女性をリフトして、もっともっと浮遊感を高めてきた舞踊です。

どこまでも重力を浮かせていきたいというのは、バレエに魅了された人間の憧れであり宿命なのかもしれませんね。

初級レベルでシルフィードを踊るため、爪先立ちのルルヴェパドブーレを多く取り入れました。

ふくらはぎや、足の裏の筋肉がかなり刺激され疲れた人も多かったようですが、日頃の弱点を再認識するきっかけにもなったようです。

フォーメーションのコツ

列の移動や、配置の仕方のことを「フォーメーション」といいます。今回の振り入れでも、2グループに分かれて、立ち位置と列移動を決めていきました。

登場は、四方から中央に一人ずつ集まってくるようにして、中央で全員で円をつくり、円の形のまま全体で回転をしてから、横二列に並び直す、という流れでした。

円の形まではなんとかできるのですが、そのあとの横二列に並び直すときに、全員がまったく違う方向・経路・目的地で移動をします。その間、ほんの7秒くらい。

限られた時間内で、他の人と衝突するのを防ぎ、落ち着いて全員が移動し終わるためには、フォーメーションのコツがあります。

  • 全員の位置を整理する

  • 通り道を決める

  • 人と交差するときは、遠い距離の人を優先する

  • 移動する方向を意識しておく

交通整理をすることが大切です。

一人一人が、どの位置から移動するのかをみんなで確認します。

そして、スタート地点からゴール地点までの経路を直線でひきます。

すると、どこかで交差しないといけないことが出てきます。

そのときに、干渉しないよう、優先させてあげる人を決めておきます。一番遠い距離を移動する人を優先しましょう。

もしも、2人で交差するときは、遠い移動の人を先に通してあげてから、もう一方の人が行くようにします。

すると、自然に全員が落ち着いて到着できるようになるのです。

方向感覚は、繰り返して「慣れろ」

今回は、フォーメーションに慣れていない人がほとんどでしたので、何度も落ち着いて確認しながら取り組んでいきました。

はじめは、迷子になって「どこだっけ?あれ?あれ?」となってしまう人もよくいました。

誰だって、慣れないうちに迷うのは仕方のないことです。場慣れをしていくことが一番で、そのためには繰り返して体で覚えていきます。

「習うより慣れろ」ですね。

もちろん、バレエ初体験の人には、できるだけ近くでサポートしていきます。実際の踊りに慣れていない人も、ゆっくりと段階をたどってやります。

すると、レッスンの終わりには、どちらのグループも、全員が落ち着いて移動できるようになっていました。

振り付けは、バランセを取り入れながら、軽やかな妖精の足取りをイメージして踊りました。

フォーメーションと振り付けの順番を覚えるのは、とても複雑なように思えるかもしれません。それでも、いろんな演目を覚えて行くことで、少しパターンや法則性が見えてくるものです。

できないと思っていたらいつまでもできませんが、ここでは全員が挑戦できる場所をつくっています。

できなくても、心配でも、大丈夫。まずはやってみましょう!

今回の受講生さんのように、みんな徐々にできるようになっていきますから。

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「レ・シルフィード」よりフォーメーションを練習中。初対面同士でも、息が合ってくると充実感あふれてきます。2グループなので、休憩中のグループもお互い見守って。

振付ノート

使用した音源

マズルカ第44番ハ長調 Op.67-3

マズルカ第44番ハ長調 Op.67-3

  • モスクワ・インターナショナル・シンフォニック・オーケストラ
  • クラシック
  • ¥153
  • provided courtesy of iTunes

参加者の声

バレエ未経験で初参加でしたが、先生のご配慮のおかげで、バレエを踊る楽しさも体験でき、皆さまと素晴らしい時間を過ごせました。
これまで先生のBlogや動画を拝見しておりましたので、実際に絵理先生にお会いできたこともとても嬉しかったです。
機会がありましたら、また参加させていただきたいと思います。

今日も楽しいレッスンをありがとうございました♡
レ ・シルフィード、大好きでよく通して聞いていたんですが、まさか自分で踊る日がくるとは…!それにしても、ふわりふわりと動くのにはなかなかコツがいりますね。
それと、絵理先生のレッスンを受けはじめてから、振り入れに対する認識が変わりました(^^)
一生懸命「覚えよう!覚えよう!!」と意識するよりも、もっと素直に「この曲素敵だな、好きだな、踊っていて楽しいな」という気持ちを大切にしていると割とスルッと入っていくものなのですね!
音楽に合わせて、自然と身体が動いていきます(上手い下手は別として!)。
ここからブラッシュアップしていけばいいんだなとか、踊るのってこういうことなんだ!というのを改めて経験させていただきました(^^)
また次のレッスンも楽しみにしています♫

レ・シルフは妖精のイメージがあって、硬い自分がふんわりした踊りができるなって思ってましたが、 音楽と写真に写っているポーズをしたら気持ちがググッと入りました☆
先生がおっしゃってた「重力を感じない」って言葉が私の中でヒットしまして、その感じさせない踊りができる様に、ダンサーは体とか作ってるんだなーって、思いながらレッスン受けてました。
グループに分かれて、分かれて輪を作ったりフォーメーションが変わったりするのも、楽しめました(^0^)
次回も楽しみにしてます(^^)またよろしくお願いします。

えり先生がイメージを先に伝えて下さったので、雰囲気を感じやすかったです♪
普段から肩に力が入りやすいので、今日は力を抜く様に頑張りましたが、力を抜くのはとてもむずかしかったです。。。
踊る事が普段なかなかないので、本当に楽しかったです♡
えり先生の教えてくださったワンポイントを復習して次に繋げたいと思います(о´∀`о)
ありがとうございました♪

ゆっくりな曲でしたが、ルルベが多く思ったよりキツかった(^^;)
軽やかに…はなかなか難しかったけど、でも踊る事はやっぱり楽しいです♡
先生の手の運びにはウットリ…私もいつか自然に出来るように、レッスン頑張っていきます(^_^)

今日もありがとうございました。ゆったりとした踊りでしたが、キープがきつかったです。もっと精進せねば…
先生は曲の背景やイメージを説明したり、時には絵でも見せてくださるので、踊りに入っていきやすいです。出来はともかく、妖精になりきって気分は優雅に踊れました♡
今日もとっても楽しかったです。また次回参加する時も、どうぞよろしくお願いします!

本日はグループレッスンにて大変お世話になりました(^^)
普段のお稽古のセンターレッスンでは簡単なアンシェヌマンも覚えられずにモタモタとしてしまうのですが、先生の説明はとてもわかりやすくてすんなりと頭に入りとても楽しく踊れました!
先生の動きはとても綺麗で振り付けそっちのけでつい見とれてしまうほどでした。

次回のレッスン予定(満員)

12月のお知らせは、近日公開します。

11月18日(土)

バッハ「主よ、人の望みの喜びよ」

初めて、バレエの定番曲以外のクラシック有名曲を選曲しました!1曲目として、音楽の父バッハから名曲を取り上げてみます。みなさんも、聞いたことのある音楽ですよね♪

どんな踊りになるんだろう?とご心配されなくても大丈夫、レベルは通常通りの設定です。前半の基礎レッスンもいつも通りです。

役柄や物語のない、音楽に合わせた抽象的なバレエになりますが、初心者の方でも一緒に踊れる内容で振付をしていきます。

11月18日(土)13:00〜15:00

主よ、人の望みの喜びよ BWV147

主よ、人の望みの喜びよ BWV147

  • ハンガリー放送合唱団, ファイローニ室内管弦楽団 & マーティアス・アンタル
  • クラシック
  • ¥153
  • provided courtesy of iTunes

11月25日(土)

「ドン・キホーテ」より、キトリの登場

舞台はスペインのバルセロナ。ドン・キホーテは、騎士道物語を夢見る不思議な老人。自分を騎士だと思い込み、ある日出会った村娘キトリをドルシネア姫だと勘違いすることからドタバタ愉快な話が展開する物語バレエです。

今回の場面は、冒頭で村娘の明るくて元気なキトリが登場するシーンです。

赤い衣装をまとった主役の女性ダンサーが、太陽のようにキラッとさわやかな笑顔で舞台に花を咲かせるような音楽です。以前もグループレッスンで人気でしたので、また楽しくチャレンジしてみましょう!

第1幕:No.4 キトリの登場

第1幕:No.4 キトリの登場

  • モスクワ・インターナショナル・シンフォニック・オーケストラ
  • クラシック
  • ¥153
  • provided courtesy of iTunes

11月25日(土) 13:00〜15:00

(新宿マイスタジオにて/参加費3500円)