バレエヨガインストラクター三科絵理のブログ

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【レポート】バッハ《主よ、人の望みの喜びよ》を踊りました!11月18日バレエグループレッスン

11月18日のバレエグループレッスンでは、初めてバレエ以外のクラシック音楽を取り上げ、バッハ《主よ、人の望みの喜びよ》を踊りました!

初級レベルで、バッハの最も有名な曲の一つである音楽に合わせて踊る。バッハの音楽が好きという方々が集まり、教会のような神聖な空気に包まれた、貴重なレッスンとなりました。

バレエ以外のクラシック音楽で踊る醍醐味

バレエ初心者の人にとって、バレエの振りつけられた踊りを練習できる機会は少ないのが現状です。

そこで、オープンクラス形式の初級レベルでありながら、本格的なクラシック音楽で踊る場を作り、毎月開催してきましたが、今回はじめて、バレエ以外の音楽で、クラシックの名曲にチャレンジしました!

バレエ音楽であれば、ある程度、定番の振り付けが決まっていたり、バレエの動きに合わせて作曲されているので踊りやすいこともあります。

でも、バレエのために作曲されていない音楽を踊るときには、音楽によって、テンポも拍子もリズムも違いますので、曲ごとに難しくなることがほとんど。

レッスンのテーマを選曲するにあたって、かなり果敢なチャレンジではありましたが、今回は思い切って挑戦することにしたのでした!

バレエ音楽以外のクラシック曲を選ぶとなると、膨大な数の曲目があります。そこで、バレエのもともとのあらすじにはとらわれない、新しい表現や、感情表出を体験することができます。そういった音楽で踊るというのは、音楽に愛着も湧きますし、音楽だけでは想像していなかったような身体表現に出会うことになります。それが、クラシックのさまざまなジャンルの曲を躍る醍醐味です。

バッハ《主よ、人の望みの喜びよ》を選んだ理由

選曲の理由は、まずクラシック音楽の歴史を辿る上で、「音楽の父」とも呼ばれるバッハから選びたいと思いました。

その上で、《主よ、人の望みの喜びよ》は、拍子の取りやすさは少し難しいですが、誰もが知っているメロディなので自然と口ずさめるからこそ取り上げてみようと思い、決めました。

しんと静まった厳かな教会の中で聴いているようなイメージで、踊りの振り付けを考えていきました。

レッスンでは、バレエを人生でまったく初めて体験するという参加者さんもいるので、難しくなりすぎないように考えました。初級向けのバレエ音楽とはひと味違う、創作の難しさがあります。

心が洗われていくさまを表現する

レッスンでの振り付けを考えるときには、私の頭の中では動き方だけでなく、「どんな衣装で?」「どんな舞台美術・照明で?」「どんな場面で?」などといったことを考えながらいつも創ります。

今回は、教会の修道女になったイメージで、バッハの音楽とともに歩きながら心が洗われていく情景をテーマにしました。白く長い衣装で、キャンドルの灯りを持って、心と静かに向かい合うようなイメージでした。それらをみなさんにもお話しすると、一人一人がすっとそれになりきったように、心から表現をしようとしていることが伝わってきました。

歩くことに、どれだけ意識を集中させられるか

参加者全員を2グループに分けて、背の順で並び方を決めました。そこで、まずは全員一列でゆっくりと歩みを進める場面があります。

どうやって歩くのか?

これが、はじめに大事なこと。

よく、クラシックバレエの定番な作品では、爪先立ちで歩く動作が多いですが、今回はややモダン・コンテンポラリーぽい歩き方で、かかとを床につけながらもしっかりと一歩一歩を進めていく練習をしました。

歩くだけでも、姿勢を保ったり、重心をなめらかに移動させたり、体はヨタヨタさせないように引き上げ続けたり… 気をつけることがたくさんあります。

「グラグラしやすい」

「後ろに伸ばした時のつま先が伸ばせない」

そうした課題を新たに発見した人もいました。実際にやってみないと、何ができて何ができないのかわからないものですよね。

「シンプルな動作も、気持ちを込めると丁寧で美しいものに変わっていくのだなと感じました」

踊りの動きも、ごくシンプルにしました。詰め込み過ぎると、呼吸の間がなくなってしまうので、ほどよい塩梅を残しながら、体のシンプルな動きに対してバッハの繊細できめ細やかな音律を調和させてみたかったからです。

動きがシンプルな分、より音楽の間合いが引き立ち、初心者の方でも落ち着いて表現する余裕を残したかったからです。

実際、レッスン中でもほどよいレベル感であったようで、初見の動きを覚える難しさはあるものの、動きながら「鳥肌が立った」というご感想もあるほどでした。

私は昔オペラの舞台でバレエシーンに登場したことがあり、踊りの間に合唱が層を成して背後から波のように包み込まれた経験がありました。楽器の音色はもちろん美しいですが、生身の人間の歌声というのはバレエダンサーにとってまた新鮮なエネルギーを感じる存在です。

「シンプルな動作も、気持ちを込めると丁寧で美しいものに変わっていくのだなと感じました」というご感想が多くの人に共通した感覚であったと思います。

ひとつひとつのシンプルな動きに、心の機微を乗せていく。

細部への集中力と、周囲の空間への注意力を同時に高めながら、音楽との一体感を味わう。

それは、何ものにも変えがたい、「踊る人間にとっての喜び」です。

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バッハ《主よ、人の望みの喜びよ》でレッスンやりましょう〜!と募集したグループレッスンの会。🎻子供の頃からよく聞いていた・ピアノで弾いて練習していた・昔から好きなクラシック…といった皆さんが、心を込めて踊りに向き合いました✨✨

振付ノート

使用した音源

主よ、人の望みの喜びよ BWV147

主よ、人の望みの喜びよ BWV147

  • ハンガリー放送合唱団, ファイローニ室内管弦楽団 & マーティアス・アンタル
  • クラシック
  • ¥153
  • provided courtesy of iTunes

参加者の声

曲に合わせて歩き出すと、先生の仰った、教会の修道女になった気持ちになり、とても神聖で心が洗われていくように感じました。
シンプルな動作も、気持ちを込めると丁寧で美しいものに変わっていくのだなとつくづく思いました。 教わることも多く、もっともっと踊りたいくらい楽しかったです。
出来ることなら、またこの曲で、踊りの続きを教わって、丁寧に踊ったり、気持ちに浸ったりしてみたいです。

昨日は30年ぶり?位にバレエが出来て本当に楽しかったです。
バレエが大好きだった昔を思い出して一人でニヤけてしまいました^^;
久しぶりに鏡の前で踊ってみると、自分の体のどこが硬いかやどこが曲がってるかがわかった気がして不思議でした。
腰痛を患ってから、本当に体が硬くなってしまいそれが悩みだったので、また機会がありましたら是非レッスンに参加させていただきたいと思います。

先生、今日はレッスンで実際にお会いできて感激しました(^^)v 10数年ぶりのレッスンが絵理先生で本当に良かった♡
ありがとうございました。
今日のレッスン曲ですが、中学・高校とキリスト教系の学校に通っていたので、よく耳にしておりました。実はピアノでも練習していましたもので、バレエ再開にピッタリの音楽でした。
バッハの曲と振り付けが見事に調和していて、静止する場面もあって、思わずお祈りしたくなるようなポーズもありました。
派手な踊りよりもむしろドラマチックな雰囲気が出ていましたね。
レッスンも編集&UPもお疲れ様でした、ありがとうございました。またぜひぜひぜひ参加させてくださいませ♡

オリジナルの振付、曲にぴったりで気に入りました。日常の雑事を忘れて作品の世界に入り込める貴重な時間でした。
これからもどんな曲が登場するか、楽しみは尽きません。またよろしくお願いします。

今回は特にバッハにチャレンジいただき、ありがとうございました。凄く楽しめました。本当に鳥肌がたっていて、皮膚がプツプツしていました!
バレエの基礎が何もできていないし、重心の位置もわからないままやってますが、すこーしずつバレエ美人さんになれるよう頑張ります‼こんなに楽しいバレエの世界の扉を開けて、優しく微笑んで招き入れてくださって本当に感謝です。人生の楽しみが増えました!腰痛も劇的に改善してきていて、色々嬉しすぎです。

みなさん、ありがとうございました!お疲れさまでした!

次回のレッスン予定(満員)

11月25日(土)

「ドン・キホーテ」より、キトリの登場

舞台はスペインのバルセロナ。ドン・キホーテは、騎士道物語を夢見る不思議な老人。自分を騎士だと思い込み、ある日出会った村娘キトリをドルシネア姫だと勘違いすることからドタバタ愉快な話が展開する物語バレエです。 赤い衣装をまとった主役の女性ダンサーが、太陽のようにキラッとさわやかな笑顔で舞台に花を咲かせるような音楽です。以前もグループレッスンで人気でしたので、また楽しくチャレンジしてみましょう!

11月25日(土)13:00〜15:00
新宿マイスタジオ 4Bスタジオ・参加費3500円

第1幕:No.4 キトリの登場

第1幕:No.4 キトリの登場

  • モスクワ・インターナショナル・シンフォニック・オーケストラ
  • クラシック
  • ¥153
  • provided courtesy of iTunes

12月3日(日)

「コッペリア」スワニルダのワルツ

グループレッスンの初期に取り上げていた演目、再び登場です!

振付は新しくリニューアルをして、コッペリアの冒頭の明るく可愛らしい音楽で踊ってみましょう!

12月3日(日)13:00〜15:00
新宿マイスタジオ 4Bスタジオ・参加費3500円

Coppélia, Act I: Valse

Coppélia, Act I: Valse

  • Slovak Radio Symphony Orchestra & Andrew Mogrelia
  • クラシック
  • ¥153
  • provided courtesy of iTunes

12月16日(土)

「くるみ割り人形」より花のワルツ

クリスマスといえば、くるみ割り人形!グループレッスンでは初登場となる「花のワルツ」有名な音楽なので、バレエをやったことがない人も知っていることが多いですね。

実際に踊るとどうなるか?クリスマスにあわせて、チャレンジしてみましょう!

12月16日(土)13:00〜15:00 新宿マイスタジオ 4Bスタジオ・参加費3500円

No.13 花のワルツ

No.13 花のワルツ

  • モスクワ・インターナショナル・シンフォニック・オーケストラ
  • クラシック
  • ¥153
  • provided courtesy of iTunes

キャンセル待ちをご希望の方は、メールにてご連絡ください。(yoga@coruri.info)