バレエヨガインストラクター三科絵理のブログ

バレエヨガインストラクター三科絵理

ご感想「コールドは迷惑かけるから無理→楽しいと思えるなんてびっくりです」

昨日のレッスンのご感想をいただいた方から、私がガツン!と響いた言葉がありました。「眠れる森の美女」より花のワルツをやった日です。

先生、昨日はレッスンありがとうございました
いつも通りとても楽しくあっという間の時間でした
様々盛りだくさんで移動もあってと濃い濃いレッスンでした
前回のパキータで皆で揃えることの難しさと楽しさを感じましたが
今日はそこに達成感が加わって最高にいい汗かきました

コールドと聞くと「迷惑かけるから絶対無理」としか思ってなかったのですが こんなに楽しいと思えるなんて自分でもびっくりです

心のこもったメッセージありがとうございます。

「コールドは迷惑をかけるから絶対無理と思っていた」という言葉に、ガツン!!!と来たのですよ…。

(コールドとは、グループで踊る群舞のことです)

バレエ初心者さんや、大人バレリーナのみなさんのひそかな悩み・かぼそい心の声を代弁してくださった言葉ですよね。

バレエをある程度ポンポン踊れて、オープンクラスは大抵ついていけてしまうという人には分からない、本人にしか分からない気持ち。みじめな気分を押し殺していませんか?

私は、自分のグループレッスンの中で、生徒さんがレベルの差によって迷惑がうまれるという構図は、ほとんど心配していません。

そもそも、レッスンをともにする同士、お互いさまです。

そして、迷惑にかけることを心配しすぎるよりも、もっと自分に対してやるべき大切なことがあるからです。

周りに迷惑をかけるかもしれないと心配しながらも参加してくださったという方は、その勇気にモーレツに感謝します!!

全然気にしなくて良いんだよぉぉーーー!ということを、声を大にして言いたいです。

世の中のすべてのバレエレッスンが、それを実現できる環境ではないと思います。

どっちが良いとか悪いとかではなく、それぞれに意味があります。

それは、ひとつの尺度では計り知れない。

芸術性をとるのか、学習的価値をとるのか、どんなアプローチにも一長一短はあります。

多様な環境があるからこそ、みんなそれぞれの状況に合わせて居場所が出来上がるのですから。

それを前提にした上で、私の開催しているレッスン環境において、自分のレベルが周りと比べてすごく劣っているとか、ついていけないということに対して、負い目を感じる必要は無いです。

それは、はっきりと言い切れます。

なぜなら、バレエ未経験の「人生初めてバレエを体験する人」も受け入れているからです。

レベル分けを設けた方がふさわしいクラス設定の場合には、前提条件を作ります。受講者ご本人がガッカリしてほしくないからです。

ふだん開催しているグループレッスンは、未経験からOKにしています。

「私なんかでいいのかな〜?」と心配してしまうような方が、誰にも遠慮せず自分のできる範囲でチャレンジする場所を作りたいからです。

そういう環境に集まっていらっしゃる方々は、もしも、隣の人がつまづいていたとしても、「お互いさまだよね」と温かく見守ってくれます。

実際、私のレッスンでは、そういう方々ばかりです。

あなたももし、隣の人とぶつかったりしたとしても、きっとそう感じると思います。人がお互いに認め合えることが、学びの場には大切です。

バレエでもヨガでもどちらの世界でも一流の方ほど基礎を大切にされていますし、レベルによる偏見もなく、むしろ謙虚です。そういうマインドセットを持てるゆとりのある人のほうが、一人の人間としても尊敬したいと思えます。

挑戦して失敗してはいけない場所を作るのではなく、挑戦して失敗しても良い場所を作ることに意味があると私は思っています。

日本社会には、失敗が許されない風土の方が強いですよね。学校でも、社会でも、失敗すると非難されることの方が強く、「よくチャレンジしたね!」と言われる方が少ないようなお国柄。学校でも唯一の正解以外は許されなかったり。ある人に周りが非難しているのを見ると、余計に自分は引っ込んでおこうと小さくなってしまいやすい社会。

どんな分野でも、失敗を恐れずに挑戦できる場所が少なくなりがちだからこそ、せめて自分の広げるバレエのレッスンでは形にしたいと思ってやってきました。

レッスンのやり方も、レベルのばらつきがあることを前提に、進め方を配慮しています。

人に迷惑をかけることを恐れすぎるよりも、自分の興味のあることへ挑戦する自由が失われて、機会が奪われてしまうことのほうが深刻な問題だと思っています。

どんな芸術家も、試行錯誤を繰り返して納得いくものを作り上げていくのであり、ひとつの成功の影にはたくさんの失敗を単なる「失敗」ととらえずに、成功へのヒントとして活かしているわけです。試行錯誤している時点で成功のはじまり、それくらいに考えてもいいのではないでしょうか。

情熱の核心をカツンと突くご感想ありがとうございました!