バレエの舞台メイクのやり方を紹介します。バレエメイク初心者の方は「不自然になってしまう」「舞台ではどのくらいが自然なのかわからない」「目がパンダみたいになってしまう」など、悩んでいる人が多いですよね。控えめにしてしまうと、表情が弱く見えてしまい、バランスをつかむのが難しいもの。
舞台の照明や、ティアラともバランスの取れる化粧にはコツがいります。ナチュラルメイクの道具の中にも、応用できるアイテムがあります。発表会の前にしっかり練習しておくとおすすめです!
ベースメイク編
バレエメイクのやり方#1 ベースメイク編 (ファンデ、ハイライト、シェード、鼻立て)
アイメイク編
バレエメイクのやり方 #2 アイメイク編(つけまつげ、アイライン、白ベース)
仕上げ編
バレエ舞台メイクの特徴
遠くから見ても表情がいきいきと見えるようにする
顔の骨格に合わせたハイライト&シェードをつける
目の周りにアイラインをはっきりと描く
アイシャドーやリップの色を鮮やかにする
濃すぎないで自然になじませる
道具
ベースメイク
ファンデーション&スポンジ
フィニッシュパウダー(透明色)
パウダー用パフ
アイブロウ
アイブロウペンシル(茶色)
アイブロウパウダー
アイメイク
アイシャドー(青、紫、ピンクなど)
グラデーションさせるアイシャドー(差し色を使う場合。ピンク、ベージュなど)
白アイシャドー、またはペンシル(アイホールのベース)
黒ペンシル(目の際をうめる、リキッドライナーの下書き)
リキッドアイライナー
茶ペンシル(まぶたの陰影をつけるダブルライン)
つけまつげ&接着剤
光沢パウダー(ラメ、パールなど必要に応じて)
ビューラー・マスカラ(適宜)
ハイライト&シェード、チーク
シェード(ファンデーションよりも濃いベージュのパウダー。頬骨の下に入れる)
ハイライター(白アイシャドーでも可)
チーク
リップ
リップクリーム
口紅(赤やピンクなど)
リップライナーのペンシル
グロス(必要に応じて)
ブラシ
アイブロウブラシ
アイシャドーブラシ(色を混ぜないように気をつける)
チークブラシ
紅筆(リップブラシ)
大きめのパウダーブラシ(パウダーの余分をとるとき)
(※日常の化粧ブラシでも代用できる)
ボディに塗る場合
ボディ用ファンデーション
海綿・またはスポンジ(海綿の方が、伸びが良くて効率的に仕上がる)
その他アイテム
鏡(手で持たなくても立てられるものがベスト)
タオル(洗顔用と、服を汚さないために前掛けにする。ケープもOK)
ティッシュ、コットン
綿棒(アイラインを修正するときなどに便利)
化粧水、下地などのスキンケアアイテム
乳液(メイクを直すのに便利。乳液で落とせることも)
クレンジング(メイクを直す時に、軽くふきとれて保湿効果のあるものが便利)
コスメ紹介は別記事にて
バレエメイクのやり方
ファンデーション
ベースメイクは、ファンデーションから。
清潔な肌にスキンケアアイテム(化粧水、保湿アイテムなど)で肌を整えた上で、ファンデーションを肌にのせていきます。
下地が必要な人は、事前に塗っておきましょう。
今回使用している、チャコットのスティックタイプのファンデーションは、肌に直接太い線を描くように塗り、スポンジでぼかしていきます。このファンデーションには、チャコットのスポンジにしたほうが相性がいいです。
おでこは広い範囲を丁寧にぬりましょう。
鼻筋もしっかりひきます。
目の下にもはっきりと。
ほおやあごなどにものせていきます。
スポンジで顔の中心から外側に広げていくようにぼかしてたたきこんでいきます。ムラになってしまうと、のちのカラーメイクがのりにくいこともありますので、しっかり仕上げていきましょう。
顔のすみずみまで、塗り残しがないようにスポンジをあてていきます。おでこ、こめかみ、あご、首筋をぼかすのも忘れずに。
仕上げに、スポンジの綺麗な部分の角で(まだファンデーションが着いていない部分で)余分についている箇所をならしていくようにポンポンポン、と全体におさえていきます。
コンシーラーで隠したい部分は、次のパウダーの前に、タッチアップしておきましょう。
フィニッシングパウダー
ファンデーションを塗り終わったら、フィニッシングパウダー(仕上げパウダー)を乗せます。パウダーは多いと乾燥しやすいため、パフの余分な粉をあらかじめよく落としておきましょう。
顔全体に、軽くのせていきます。ポンポンポン、とふれて、多くついてしまったところは、きれいなパフでやさしくとっておきましょう。
これでベースメイクの土台は完成です。
眉を下書き
次に、眉毛のカーブを下書きしていきます。最終的には、つけまつげやアイラインを引いた上で眉毛のバランスをとっていきますので、ここでは下書きに薄くしておくとおすすめです。
眉山の位置を決めておきましょう。上の写真のように、黒目の瞳の外側に縦に並ぶ位置あたりが目安になります。
アイブロウパウダーの色を混ぜて、小さいブラシにとっていきます。ふだんのコスメでも色が合えばOKです。
舞台メイク全般において、ブラシをのせるまえには、手の甲で余計なパウダーを落としましょう。着きすぎてしまうと、修正が難しくなるからです。
眉山から眉間にかけて、眉の骨格を決めていきます。
眉山の位置にブラシをのせて、眉間側(中央側)に描いていくと自然になりやすいです。
眉毛の隙間を埋めるような感覚で、濃くなりすぎないように気をつけます。
パウダーをのせたら、次にアイブロウペンシルでさらにアーチの輪郭を作っていきます。
はっきりと描きすぎないで、眉毛の薄いところを1本ずつ描くような感覚で、線を引いていきましょう。あとでアーチを完成させるためです。
眉毛の端は、細いMACのアイブロウブラシで濃いめの茶色をのせると自然になじみやすいので愛用しています。眉全体の色にムラがあるときは、アイブロウマスカラの明るめの茶色を全体に薄くのせます。
シェードパウダー
眉毛の骨格ができたところで、顔の骨格にあわせてシェード(陰影)をつけていきましょう。ファンデーションよりも濃い目のフェイスパウダーを使います。私はMACの日常使いできるシェード用の色を使っています。
頬骨の下に、斜めにまっすぐ入れていきます。
やや太めのブラシでパウダーをとり、頬骨を意識しながら、その下に耳からほおの中央に向かってさっさとつけていきます。
同じパウダーで、眉からTゾーン横のシェードも薄くいれておきます。あとでさらにつけていくので、薄くで大丈夫です。
ノーズシャドウを下書き
鼻筋をすっきりと浮かび上がらせるために、ノーズシャドウを入れていきます。
MACの「ソバ」という色が私の肌には馴染みやすくて使っています。(黄色寄りのベージュだと私の場合浮きやすいので)
肌に合うベージュほど、のせはじめは「薄いかな?」と思うくらい肌にとけこんでいきますが、ブラシをのせるほど、自然に陰影ができていきます。肌に合うベージュを見つけていきましょう。
ノーズシャドーを薄く入れ終わったところ。ちょっと違いが見えます。
ハイライト
シェードを入れた後に、ハイライトを入れていきます。この順番の方が、失敗しにくいです。こちらも日常使いできるMACのハイライトを使っています。光沢感のあるパステルカラーのブレンドなので、自然に光が集まり浮かび上がりやすくなります。
ハイライト用のブラシで、Tゾーン・鼻筋に光を入れていきます。
眉毛の少し上の、骨が高いところにものせておきます。
薄くつけていくのが基本です。
目の外側にも「C」カーブのようにいれます。
最後に、あごの先にも軽くつけます。
白いパウダーでも同じ箇所を薄くつけておくと、発色の鮮やかなカラーシャドーがあとでなじみやすくなります。
光と影のバランスをみながら、骨格メイクを仕上げていきましょう。
まぶたのシェード&ノーズシャドウの仕上げ
ハイライトを入れ終わった上で、さらにまぶたのシェードとノーズシャドーを入れていきます。
まぶたの周りの、骨の丸いくぼみを意識して、眼球の上に横アーチをベージュで入れていきます。のっぺりとしやすいまぶたをくっきりとさせるためです。
目頭と眉毛の中間あたりから、なだらかなカーブを横に引いていきます。
今回の撮影ではここまでにしていますが、もっとはっきりとダブルライン(まぶたのくぼみをつける茶色のライナー)をつけるときには、茶色のペンシルで描いていきます。
次に、全体のバランスを見ながら、ノーズシャドーを足していきます。鼻筋の影を縦に入れていきましょう。
鼻の高いところの手前まで、軽く引いていきます。
そして、眉頭と鼻筋のラインをつなぐ角を、三角形にするようにシャドーを入れていきます。ここまで仕上がると、顔の骨格がメリハリのある印象になってきます。次は、目元のメイクに入っていきましょう。
白のアイシャドーベース
アイシャドーは、青や紫やピンクなどいろんなカラーを使うことがありますが、そのベースに白を入れておくと、目元が明るく華やかになります。そこまでカラーをつけないでシンプルめにしたい場合は、白だけでも舞台メイクらしくなっていきます。
まぶたの茶色いシャドーを残して、それ以外の眼球の上と眉毛の下に白をのせていきます。
目頭にも白を入れていきます。
目頭から横にラインを入れて、目尻までぼかしていきます。
アイラインをペンシルで下書き
アイラインを描きましょう。リキッドアイライナーで描くのが主流ですが、いきなり描くと失敗しやすい人もいるので、そういうときはペンシルを使うのが有効です。
ふだんのアイライナーのようなつもりで、まつげの際をうめていくように黒のペンシルで描きます。
目尻の先にも数ミリ長く描きます。
ゆるやかにはねあがるような上向きのカーブにすると目がぱっちりします。
ペンシルがよれやすいときは、ペンを持っていない方の手でまぶたをおさえるようにすると描きやすいです。
リキッドアイライナーで本描き
ペンシルで下書きした上に、リキッドライナーで本描きしていきます。
なぞるように、慎重に描いていきましょう。
目尻のはねあげも、先が細くなるように、筆をそっとコントロールしながら線をつなげていきましょう。
アイラッシュ
アイラインを引いたら、つけまつげ(アイラッシュ)をつけましょう。今回は、チャコットのアイラッシュのEタイプを使いました。毛先が長く、正面から見て自然な量でなじみやすいです。
つけまつげをつける時には、両手をあけて、鏡を顔よりも下におきます。上から見下ろしながら、まつげの根元がしっかりと見えるようにしましょう。
目にゆっくりと近づけながら、先端を位置合わせしていき、のりの部分を肌に合わせていきます。
目頭も目尻も、均等にはりつけていきましょう。
片目をつけた状態です。
つけまつげののりは、筆でつけるのがベスト。なければ、つまようじかヘアピンのような細いもので根元の際に極細でぬっていきます。
のりが乾いてから、つけていきましょう。
のりを触らないように気をつけながら、装着していきます。
もし浮いてきたら、剥がしてのりを付け直しましょう。
下のアイライナー
下まぶたにも、目が大きく見えるようにラインを引きます。リキッドで本がきするのが心配な人は、ペンシルで下書きをしましょう。中央から位置を決めていきます。目に近すぎず遠すぎずのラインを決めていきます。
目頭と目尻にバランスよくアーチを描いていきます。目の際からは少し隙間を残しておいた方が目が大きく見えます。
リキッドで本描きをしていきます。線が太くならないように、ペンを寝かせすぎないようにしましょう。
一度に描かずに、短い線をつなげていくと、慣れていなくても描きやすいです。
アイラインを修正するコツ
失敗してしまったら、クレンジングを含ませたコットンや綿棒で、黒いラインを拭き取りましょう。チャコットのクレンジングウォーターは拭き取り式で化粧水不要なタイプなので、楽です。
落ちたファンデーションをのせていきます。パウダーものせましょう。
少し面倒でも、土台から整えておいたほうが仕上がりが美しいです。
ここまでやってから、落ち着いて描き直しましょう。
目頭を寄せたいときは
目頭の切れ目に細く黒いラインを引くと、目を少し寄せることができます。
左右ともバランスよく、描きすぎないよう気をつけましょう。
アイシャドーのカラーをつける
アイシャドーにカラーシャドーをつける場合は、目元の陰影メイクの上にのせていきます。アイシャドーが落ちにくく定着しやすい便利なアイテムがあります。アイシャドーベースです。今回は、MACのベースを使いました。
アイシャドーを塗るときに広がりにくく、落ちにくくなります。
使い方は、アイシャドーベースを米粒くらいの少量でとって、そっとまぶたにのせます。発色をよくしたいシャドーの前につけましょう。つけまつげがとれないようにそっと、ぽんぽんとのせます。
そうしたら、アイシャドーをブラシにとって、余分な量を手の甲で落としておきます。多くつけすぎるとまぶたが腫れぼったくなってしまうので、少しずつがおすすめです。
目尻側が濃くなるように、目頭からグラデーションになるようにぼかしていきます。ブラシをまず目尻にのせて、少しずつ動かしていきます。
茶色のシェードを残しながら、アイホールになじませていきましょう。
アイシャドーは、つけまつげの前につけることもできます。ただ、位置を広げすぎてしまったり、まぶた全体にのせてしまうと修正しにくくなってしまうことも。目元の陰影をつけ終わった上で、色を足していくというやり方であれば、顔の骨格の立体感を残しながらカラーをバランスよくつけていきやすいです。
今回は撮影用として控えめにつけましたが、舞台によってはもっと濃く色をのせることもあります。
チーク
チークは頬骨のシェードよりも上に、同じく斜めにのせていきます。
顔色をよくして華やかに見せるためにもチークは大切です。
左右バランスよく仕上げていきましょう。
チークのカラーをおでこのサイドとあごの先にもつけていくと、顔色のバランスが全体によくなります。
日常のメイクでも少し入れると印象が明るくなります。
リップ
明るい赤やピンクの口紅をつけていきます。まずはリップライナーで線を描いていきましょう。中央の位置を決めます。
そして左右に均等にのばしていきます。
口角のすみまでも塗っておきましょう。
縦じわの入りやすいところにも、のばして引いておきます。
リップブラシで口紅をつけていきます。
リップまで入れると、いよいよフルメイクが仕上がった実感が湧いてきます!
ティッシュで軽くおさえてなじませ、必要に応じてグロスもつけると潤いますね。光沢のパウダーなども足すとキラキラが増します。
仕上がりました!
仕上がりの例
今回はアイラインを最低限に引き、色使いもシンプルにしている状態です。それでも、骨格を引き立てるためのハイライト&シェードをしっかりつけていくと、舞台メイクらしくなります。
青いシャドーをのせた場合
白アイシャドーのみの場合
カラーシャドーは、役柄や舞台の演出方針によっても変わることがあり、お教室の発表会では指定された色を使いましょう。2色をグラデーションにしながら、差し色を使うこともありますので、今後また紹介していきます。シンプルなテイストで小さなステージでしたら、白シャドー+αでも引き立てることができます。
舞台でのイメージ
舞台では、ティアラをつけて衣装のチュチュをつけていきます。照明があたっても映えるようにするために、ふだんのメイクよりも色がはっきりとわかるようにつけていくのがポイントです。
横顔でも、顔の立体感とまつげのカーブが目立つようになります。
バレエ発表会に出る方は、バレエらしいステージメイクも練習しておきましょう!
普段のコスメで活用できるものも上手に使って、顔立ちに似合う舞台メイクを探していきましょう。
この内容の解説動画、近々公開します!
さらに基本メイクからアレンジしたバージョンや、バレエメイクに使えるコスメアイテム選びについても、また紹介していきますので、お楽しみに。