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【効果的なストレッチは何秒?】ストレッチすると体が柔らかくなる筋肉の神経のしくみ

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ストレッチすると、筋肉が伸びるのはなぜか? 疑問に思ったことはありませんか。

わたしたちの体がストレッチを始めると、筋肉の感覚神経が情報を脳に伝達して、筋肉を伸ばしすぎないように監視しています。

30〜60秒ほどのストレッチを定期的に行っていくと、深いストレッチをしても、筋肉の感覚神経の反応を受けにくくなり、さらに筋肉が伸びやすくなっていくのです。

効果的なストレッチを実践していくために、筋肉の感覚器官である「筋紡錘」についても、ぜひ理解しておきましょう。

ストレッチをすると、体が柔らかくなるのはなぜ?

ストレッチを何度も行うと、柔軟性が上がって、いわゆる「体が柔らかい」という状態に近づいていきますね。

では、ストレッチするほど筋肉が柔らかくなる(柔軟性が高くなる)のは、どうしてでしょうか?

その秘密は、筋肉の感覚神経である「筋紡錘」にあります。

筋肉の中にある「筋紡錘」とは?

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筋紡錘とは、筋肉の状態を感知する感覚器です。

全身の筋肉の状態を、脳幹部がコントロールできるように、一つ一つの筋肉(骨格筋)の中に埋め込まれた「長さセンサー」のようなものです。

筋肉とは、「筋繊維」というものが集まってできています。

筋肉がストレッチされて伸ばされると、ゴムのように、筋繊維が引っ張られます。

そのとき、筋紡錘も引っ張られ、電気信号を発生させて、瞬間的に脳に伝達させています。

ストレッチを始めると、「今この筋肉がこのくらいの強さで伸ばされている!」と脳に報告をしているのです。

脳は、その情報をもとに、全身の筋肉の運動を精密にコントロールしています。

(体の仕組みってよくできているなぁと感動します。)

筋肉の長さを監視するセンサー

筋紡錘は、なぜ筋肉の長さを監視しているのか。

それは、筋肉が引き伸ばされすぎて断裂しないようにするためです。

筋肉は、筋繊維というものが集まってできています。

ゴムのように、両端を引っ張ると伸びますが、限界を超えると筋繊維が切れてしまいます。

それを防ぐために、筋紡錘が筋肉の状態を監視しているのです。

ストレッチするほど、筋紡錘の反応を受けずに筋肉が伸びやすくなる

筋紡錘は、筋肉が強く引き伸ばされると、電気信号を出して脳に伝達させます。

すると、筋肉は、それ以上に伸ばされないように緊張してしまいます。

でも、ストレッチを深めていくには、筋肉を緩めなくてはなりません。

では、筋肉の長さセンサーが監視しているのに、どうやって深くストレッチできるようになるのでしょうか。

筋肉は、ストレッチが始まってから筋紡錘が反応を始めますが、30秒〜60秒ほど経過すると、筋紡錘の反応が弱まりやすくなります。

すると、筋肉がゆるみやすくなるのです。

たとえば、3秒くらいストレッチしてすぐにやめてしまう人がいたとしましょう。それでは、筋紡錘が強く興奮したまま終わってしまい、「筋肉が伸ばされないように〜!」と、より緊張しやすくなってしまいます。

ストレッチを深めるには、筋肉を余分に緊張させないことです。

効果的なストレッチをするには「30秒キープ」をまずは目指そう

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まず、体のパーツで柔らかくしたいところは、「30秒キープ」を心がけるようにしてみましょう。

そして、いったんゆるめたあとに、もう一度やってみることです。すると、筋肉がさらに伸びやすくなります。

もちろん、ストレッチには個人差がありますので、誰しも一般に言えるわけではありません。

でも、例えば「開脚できるようになりたい」という人が開脚をして3秒でやめてしまっていたら、筋肉がかえって緊張しやすくなってしまいます。

なので、目指すストレッチが10秒未満しかできないという人は、まず30秒を目指しましょう。

(ダンサーは、1つのストレッチで数分キープすることもよくありますが、訓練と経験で体が慣れてしまっています)

「30秒キープ」がきついときは、負荷を軽減して緊張させすぎないように

1つのストレッチで、30秒キープがきつい時、呼吸が止まったり、痛みが激しかったり、首・肩に過度な緊張が走ったりしがちです。

そういうときは、ストレッチの負荷を軽減する方法をとって、全身緊張しないようにすることも必要です。

例えば、前屈したい人がいきなり足の先まで手が届かせようとしても難しいですよね。

なので、少し膝を曲げてみるとか、手の位置をやさしくしてその分背中を伸ばすようにする、など、ストレッチを軽減させる方法は目的に応じて様々あります。

わからないときは、指導を受けている先生に確認してみましょう。

あなたの目的に応じた、ストレッチの軽減方法を教えてくれるはずです。

体の仕組みを理解して、さらに効果的なストレッチを続けていきましょう!

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