バレエヨガインストラクター三科絵理のブログ

バレエヨガインストラクター三科絵理

手の形に、心が表れる。 〜勝林寺ヨガ・坐禅ワークショップ〜

体の所作には、心の状態が表れるー

日本人は古くから所作や佇まいをていねいにすることで、心の落ち着きを見出していました。

坐禅や、茶の湯の作法、ヨガといったものをていねいに向き合うことで、
効率重視・スピーディー・生産性優先になってしまいがちな現代社会に生きるわたしたちに、
心のゆとりを思い出させてくれます。

以下、勝林寺ヨガ・坐禅ワークショップでご住職のお話から学んだことです。

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姿勢を調えて、心も調える

調身、調息、調心

坐禅は、体を調え、呼吸を調え、心を調える、という大切な考え方があるそうです。

そして坐禅をしている最中は、手の形が決まっています。

「法界定印」という印をつくります。

坐禅の手のかたち「法界定印」

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右手を下にして、左手を重ね、手のひらが上向きになるようにして、親指を持ち上げて合わせます。

お釈迦様の法界定印は、左手が下で、わたしたち人間はへりくだって右手を下にするそうです。

心が集中していないと、手の印がぶれる

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坐禅を組んでいると、集中できないときや、眠くなってしまうこともあります。

すると、手の印がぶれてしまいます。

親指が倒れてしまったり、手のひらの丸い空間がつぶれてしまったり・・・。

手の形に、心が表れる

目に見えない心の状態を、こうして目に見える形で洗練させていく坐禅の精神は、美しいと思います。

体の所作にも、心が表れる

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わたしたちの心を映し出すものは、手の形だけではないでしょう。

体の姿勢や、所作、動き方などにも、心の姿勢が表れてしまうものです。

たとえば、日常生活も修行。禅の修行僧は、掃除も、食事も、日常のふとした所作に対しても修行であると捉えて、厳しく向き合うそうです。

また、禅と縁の深い「茶道」も、茶の湯の礼儀作法・所作が細かく決められており、ひとつひとつに理にかなった意味があります。それも、相手への思いやりの心を込めることにあります。

実は、多くのバレエダンサーも、体の動きに心が表れてしまうからこそ、演技の所作を洗練させているものです。

私は、日本人が古くから磨き上げてきた禅の美意識と、西洋の文化であるバレエの美意識に、相通じ合うものを見出す瞬間がしばしばあります。

こうしたとき、自分が日本人として生まれたことと、バレエの経験が調和する喜びを感じます。