バレエヨガインストラクター三科絵理のブログ

バレエヨガインストラクター三科絵理

大自然のヨガで感じてほしいこと

ヨガ・リトリートから帰ってきて、いろんな生徒さんから「写真見ましたよ〜!テントすごいですね〜!!」とか「すごく気持ち良さそうです!」などご感想伺っています。

バレエレッスンのメンバーさんの中にもヨガ・リトリートへいらっしゃる方もいますし、バレエはしないけどリトリートに来るという人もいます。

私としては、どちらも大歓迎。なぜって、条件も経験もいらないからです。

「自然の中で楽しみたい!」その気持ちさえあれば充分で、むしろそれだけは持って来てください!という感じです(笑)

なぜ、大自然でやろうと思ったんですか?ともよく聞かれます。それは、スタジオの狭い空間を突き抜けて、大きな空間を感じながらのびのびと体を動かす体験が現代人に欠けている要素だと思ったから。

東京の公園でもやったらどうですかと言われたことは沢山あります。たしかに、開催したことは一度あります。でも、片道何時間もかけて山道を乗り越え、ようやくたどり着いた森の中でみんなで1つ屋根の下ご飯を共にしたり原っぱで寝そべることでようやく見えてくることがあります。

ここまでディープな体験を知ってしまうと、私にとっては都会の外ヨガはとてもインスタントに感じてしまうんです。

熊もイノシシもカモシカもいない。公園の木々は人工的な植林。すぐ横には道路で車のエンジン音が聴こえてくる…

東京の公園では当たり前のことですが、乗鞍で宿泊のヨガ・リトリートを14回開催してきた今改めて考えるといかに特殊な環境なんだなと思います。別に東京を否定するつもりはなくて、都会の刺激もカルチャーも大好きです。ただ、なんで東京の公園では開催しないんですか?という質問があるなら、素直にこう答えます。

大自然のヨガは気持ち良さそう。

そういう感情は誰しも自然と伝わるようですが、インストラクターとしてはどんなことを感じてほしいのか?

それは、体を日常以上に大きく感じることです。床ではなく、大地を踏みしめて。天井ではなく、空を見上げて。

ダンサーとして体で表現するからこそ感じることなのですが、どうもスタジオの中にいると目に見える空間の中に自分をおさめようとしてしまいがちです。

見る対象が壁なら、その壁までの距離を見ますし、頭の上に天井があればそこまでの高さを感じやすいものです。

でも、レッスンでは大抵生徒さんの認識しているであろう空間把握の範囲よりももっと大きく体を使ってもらえるように指導します。

だから、バレエでも姿勢を整えるためにいろんなイマジネーションを提示するわけです。

では、大自然のヨガをするとどうなるでしょう?

自然に、余分な緊張が抜けて、特にガイダンスしなくても勝手にみなさんの姿勢が自然環境とつながっていくように大きな空間を感じられます。

360度、大自然。

空はどこまでも高い。

地面は真っ平らなところなどひとつもない。

どこか野生の生き物としての感覚が呼び覚まされるような、そして体が本能的に持っているいろんな力や働きが息を吹き返しやすくなるのです。

たとえば、足。なんとなくフローリングではバランスが取りやすくても、デコボコの地面では木のポーズが難しい。でも本来足というのはこういう自然環境でもたくましく歩いたり走ったりできるように骨や筋肉や脂肪組織などいろんな構造が賢く作られている。そんなことに気づきます。

ただ立っているだけでは気づかないことを、ヨガのポーズという枠組みを用いることで、深い気づきをもたらしてくれます。

日常よりも大きく体を使うことを大自然のヨガから持ち帰ってほしい、というのをいつも大切に思っています。