ダンスとヨガというフィールドで生きている人間の割には、自分はロジカル的な脳と感覚的な脳両方とも場面によって使い分けるタイプ。
(あまりこういう呼び方は好きではないけれど右脳と左脳タイプといいますか。)
踊りを解剖学などに照らし合わせて論理的にも分析したいし、感受性や創造性からうまれる閃きにもアンテナを張っておかないと息苦しくなってしまう性格です。
ダンスの世界は感覚的な人のほうが割合としては多いのですが、女性でもサバサバしているタイプは私と似ている方が多いですね。
一方で大学時代はロジカル脳な友人達が多かったので、議論するようなトークも大好きです。
そんな私も、例えば忙しく生活していく日々が続いたりして疲弊してくると、ロジカル脳のほうが優勢になります。短時間での的確な判断を下したり、優先順位を把握したり、短絡的な処理をする作業が多くなると、どうしてもロジカルな自分が強くなります。
でも表現をしていく上ではこれはゆとりがないという証であって、言葉の意味を深く感じとったり、ゆっくりと時間をかけて感受性を豊かに意識する時間はマストになります。
そんな中で、万年筆のインクの名前というのはなんて面白いのだろうと思います。
上の写真は、最近メインでよく補充している色。
色彩雫 紫式部
四季織 夜桜
どちらも色が気に入ったわけなのですが、名前から連想されるイメージからも気にいるうえで影響されたなぁと思います。(冷静に思うと)
前はひたすらカートリッジインクを交換して、パーカーのブルーブラック一筋だったのですが、コンバーターで色を変えることも楽しむようになりました。
紫は近年徐々に好きになり、自然と紫のアイテムが増えて自覚した色です。
同じ色でも、紫式部というアイコンがつくと、また色の印象は変わります。好きなアイコンならば、確実に印象は上がりますよね。同じ紫系でもいくつか種類があり、きちんとファンにも伝わりやすくしている。
インクボトルメーカーはどこもネーミングにこだわっていて、土地の名前、芸術家の名前、植物の名前、あらゆる言葉から色の見立てをしています。
好きな画家の名前を冠したインクボトルを探してみるというのもステキなことです。
夜桜の色も独特な淡い印象で、染み付いている写真を見ていただければ少し伝わるでしょうか。
くすみ系のやさしい色で、ほんのり桜の花びらがぎゅっと寄せられたときの渋そうな色を想起させられるといいますか。夜桜、花見をしつつ昼間に散った花びらが土の上でまだ淡い点々を道に残しているかのような。夜桜ともあって、極端に淡すぎない印象。
この色を名前も無しにぱっと見たとき、どれだけ惹かれるか気分にもよるかと思いますが、さほどぱっと目立つ色ではないですよね。
でも名前という言葉の力を借りて、色のもつ世界観、色のある景色が想像されやすくなる。それをどんな気持ちで使おうかなと思いながら、書き手は文字を綴ってゆく。
化粧品にもリップやアイシャドウなどでステキな名前をみるとより可愛く思えてくるもので、似ていますね。
万年筆というのはペンそのものの構造だけでなく、感性語をたくさん用いたインクのネーミングがまた浪漫ですね。