バレエを頑張っていても、一筋縄ではいかないことってよくありますよね。
一筋縄ではいかないとは、一本の縄ではうまく事が運ばないことの例え。つまりは、普通のやり方ではうまくできないこと。
バレエなんてまさにそんな動きがたくさんあるような集合体に見えるかもしれません。
しかも熟練ダンサーたちは、それをたやすくこなしているように見せているわけですからね…!
見た目の優雅さと、動いてみてようやくわかる大変さのギャップが大きいものです。
その上、体の状態、筋力、柔軟性、いろんなことが関わってきますからね。
日々レッスンで生徒さんの感じている大変さというのはひしひしと伝わってきますので、「バレエって大変だよね〜」というつぶやきはスタジオでも絶えません。
なんでこんなに大変なこと始めちゃったんだろうって思うかもしれませんが、ちょっと待って。
それだけ、奥が深く、学ぶ価値が高いということです。
世界の頂点に立つプリマバレリーナでさえ、終わりは無いと言う世界。
奥が深く終わりが無いというのは、この世界に関わった全員が感じることなのです。
だからあなた一人が感じているからといって、プロのダンサーがうらやましいなとか子供の頃からやっていたら悩みなんか無いんだろうなということはありません。
完璧そうなプロポーションの人でさえも悩む。
人にはわからないコンプレックスがある。
例えばオードリー・ヘップバーンだっていつもプレッシャーに悩んでいたというエピソードは私も意外でした。
同じくプロのバレエダンサーたちというのは、声に出さずとも日々向き合っているものです。プロになってもいちいち人と比べて悩んだり卑下していてはプロの自覚がないとも見なされる世界ですから、それすらも自分でしっかりと自己管理しているのです。
趣味で始めたバレエで奥の深さについていけない…と悩む前に、悩むのはこの世界当たり前なんです。
それよりも余計な悩みを感じないくらい鈍感力を持つことも大切。
そのほうが、あなたにとって、本当に大切なことに集中できます。
それに、奥が深いと思えるからこそより好奇心が持てているはずです。
バレエを学びたいと思う方は、なにか本質なものを求めていらっしゃることが多いです。
姿勢の所作の基礎。
踊ることの基礎。
体の動きの基礎。
インスタントなものではなく、じっくりと基礎を築いてみたいからこそ、バレエに関心を持つ方が多いのです。
ということはやはり、気軽な構えですぐに学び取れることよりも、ずっと深いためになる学びを求めて、好奇心をもって、バレエの門を叩いたことでしょう。
「奥が深いから大変」とマイナス面にとらわれすぎず、「奥が深いから学ぶのが楽しい」という純粋な気持ちを取り戻していきましょう。
冬牡丹のように凛と楽しんでいこうではありませんか。