バレエでの後ろ姿の瞬間、きれいに踊れていますか?
発表会で「前から見ている分ではきれいに見えていたのに、後ろ姿になるとかっこ悪くなってしまう」というお悩みは多いと思います!
背中が素に見えてしまう問題と名付けて、検証してみましょう!
- 後ろ向きスースーでポーズを確認してみよう
- 全身の軸を通す
- ひざを伸ばす
- 股関節・ひざ・足首を垂直に立てる
- 背骨の縦のラインから頭頂まで芯が伸びているか?
- あばらぼねが引き上がっているか?
- 両腕はボディから引き離す!
- 顔の付け方の順番
- 結論。背中は語る
後ろ向きスースーでポーズを確認してみよう
冒頭の写真のように、みなさんもポーズをとって写真撮影してみてください。
まっすぐ正面から撮るようにしてみてくださいね。
右足前5番スースー
右手アンナバン 左手横アラセゴンド
顔は右につける
こうしたポーズです。
さりげないポーズですが、踊っている最中は頻繁に出てきます。
さあ、後ろ姿はどうでしたか?できればレオタードでチェックするとよいですね!
なんだかうまく立てていないという人は、以下のチェックを確認してみてください。
全身の軸を通す
基本として、両足の重心をきちんととらえて、左右どちらかに傾かないよう均等に立ちましょう。
ポーズだからといってだんだん傾いてしまう人がいます。たとえば、顔を右につけているだけで何となく右寄りになってしまうこともあります。
きっちりと両足均等に立ちましょう。
ひざを伸ばす
次に基本的なことですが、しっかりひざを伸ばしましょう。
伸ばしていると思っていても、実はきちんと伸びていない人もよくいます。
スースーはつま先立ちで足を交差しているので、自分で足を寄せているつもりでも、背中が落ちていたり、引き上げが間違っていると、ひざがゆるみやすくなります。
しかも残念なことに、足を交差してルルベに立っているだけで「足を働かせている錯覚」になりやすいので、自分で気がつかないことが多いのです…
股関節・ひざ・足首を垂直に立てる
ひざが本当にバレエ的に伸びている状態にするには、脚全体(下肢)を床に垂直方向に並べることが大切です。これが、「アライメント」になります。アライメントとは、骨を正しい位置に並べて姿勢をとることです。
おなかが抜けていたり、腰を落としながら立ってしまう方は、ひざを曲げて押し込む癖がつきやすくなります。このとき気をつけないといけないのは、両足の間がピタッとくっつきやすいので、本人は足を一本に集めていると錯覚しやすいのです。写真をみて床と垂直に立てているかを確認しましょう。
背骨の縦のラインから頭頂まで芯が伸びているか?
体の各パーツの角度をとりあえず真似する、というだけでは美しさが出せません。
全身の軸を通すことで、背骨のラインがすっと伸びて、首の頸椎から頭蓋骨の頭頂部(頭のてっぺんのど真ん中)に向かって、しなやかなラインがつながるようにします。
顔の角度をつけているとしても、背骨から頭頂部までの軸は常に意識しておきましょう。
あばらぼねが引き上がっているか?
手の形に気をとらわれるあまり、肋骨と脇の引き上げができていない方がいます。
肘を開いてあばらぼねをウエストから上に引き離すようにしてお腹を凹ませましょう。
そして肩甲骨は耳から斜め下遠くに引き離すようにします。
両腕はボディから引き離す!
手の角度をつけてもサマにならない場合、腕の伸ばし方が間違っていることがあります。
両腕の二の腕を、胸の中心から左右に引き離すようにしましょう。
持ち上げているように見えていても、肘がボディにちかづくようになってしまうと、貧相でかっこ悪くみえてしまいます。人に腕を引っ張られているかのように二の腕を遠くに引き抜きましょう。肩の上部が持ち上がる人は、肩を下げ直して、脇の下から二の腕を外側に送り出すようにします。
顔の付け方の順番
顔の角度は右につけています。
まずこのとき、首全体で傾けるのではなくて、軸にそって高く頭をまっすぐ立てた状態から、耳の高さぐらいの首だけで顔の角度を水平に動かします。専門的にいうと、第一頸椎と第二頸椎を意識するということです。あごから下で動かすのではなく、もっと頭蓋骨との付け根に近いところから頭を右につけます。
次に、見下ろします。鼻先をそっと下ろすようにします。おでこは高いイメージを保ちながら見下ろしましょう。
いかがですか?顔の角度だけでも、適当につけるのではなく、体の姿勢の組み立て方があるのです。
結論。背中は語る
緊張していようと、リラックスしていようと、背中はあなたの状態を語ってしまうものです。
とはいえ、ずっと背中を見せたくないからと隠してしまうと、発表会で初めて自分の姿勢に気づくことになってしまいます。
やはり、ふだんから後ろ姿の骨格も観察して、どのようにしたらラインが出るのかを確認しましょう。
多くの人にとっては、「少しオーバーなくらい」につける必要があります。
でも、変に筋を緊張しすぎるのは間違いです。
また、背中を力ませればいいというものではありません。やみくもに反らせればいいわけでもありません。
やはりほどよい塩梅は実際にレッスンで直してもらうことがベストですが、みなさんも当てはまることがあれば、参考にしてみてくださいね。