ファッションデザイナーのピエール・カルダンがバレエの衣装を製作していました。
そのきっかけは、マイヤ・プリセツカヤ!
偉大な芸術家同士のビッグなコラボレーション。
マイヤ・プリセツカヤの「アンナ・カレーニナ」「かもめ」「子犬を連れた貴婦人」映画「春の水」などをすべて贈り物としてプレゼントしたのだそうです。
なんと粋なピエール・カルダン!
https://www.vogue.co.jp/fashion/editors_picks/2015-05/13/airi-nakano
マイヤさんもファッションの感性が鋭いお方で、ソ連時代の厳しい環境下でもみんなが見たことのないようなオシャレな洋服やレオタードをいち早く着ておられたそうです。自伝では、クララという魔法使い(のようなやり手の売り子さんから)市価の3倍で海外の高価なお品を買い取っていたのだとか。
「アンナ・カレーニナ」はロシアを代表するトルストイの長編小説で、気品ある雰囲気が印象に残る物語。私は「アンナ・カレーニナ」というと、こちらの絵も思い出します。
イワン・クラムスコイ作「邦題:忘れえぬ女」(1883年)。アンナ・カレーニナをイメージしたものとも言われているhttps://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%A2%E3%83%B3%E3%83%8A%E3%83%BB%E3%82%AB%E3%83%AC%E3%83%BC%E3%83%8B%E3%83%8A#/media/%E3%83%95%E3%82%A1%E3%82%A4%E3%83%AB:Kramskoy_Portrait_of_a_Woman.jpg
この女性の服からも察するように、1800年代後半当時のロシア女性の衣服は長いスカートのドレスに腰あてがつくほど重たいファッションで、踊るには難儀すると悩んでいたそうです。
再現映画でもドレスがずっしりしていそうな印象があります。
そこへピエール・カルダンに相談すると、”瞳に電流が走ったかのように、一瞬輝きを増した。” とマイヤ・プリセツカヤの自伝に書き残しています。
身体を折り曲げたときにどこか気になるところがありますか? コスチュームは動きを妨げていませんね? 着ているという感じはしますか?
コスチュームはあなたの皮膚以上でなければなりませんからね
カルダンがバレエのアラベスクやアチチュードのポーズを確認しながら言った言葉だそうです。
どれだけ衣装の大切さを押さえているかが伝わってきますね。
「アンナ・カレーニナ」には10着もの衣装を製作したそうです。
でも、ポスターにはピエール・カルダンの名前が載っていませんでした。
それは、ソ連の文化省が外国人の名前がポスターに載ることを反対して、事務局に圧力をかけたから。
今となっては信じられないですが、そんな時代だったのですね。
でも気にならなかったそうです。
ピエールはまったく意に介さない。匿名なら匿名で結構、時期が来れば……
なんと、かっこいいのでしょう!
1982年に映像化された『かもめ』
ロングワンピースにタイツとトウシューズの色まで統一されていて、シックで上品な佇まいが素敵です。
プリセツカヤをモデルに撮影されたピエール・カルダンのファッション・ショー(1987年)
参考 ハイブランド・デザイナーとバレエ振付家が刺激しあい、生みだしてきた名舞台|音楽っていいなぁ、を毎日に。| Webマガジン「ONTOMO」
クラブハウスでも「ファッションとバレエがまたこんなに繋がるなんて!」とみんなで盛り上がりました。moeさんからも情報をいただきました。
ピエール・カルダンについてもこのエピソードを聞くと興味津々になりましたので、どこかで彼のことも調べてみたいなぁと思ってしまいました。
ピエール・カルダンの映画