バレエヨガインストラクター三科絵理のブログ

バレエヨガインストラクター三科絵理

出産の思い出。生まれてきてくれてありがとう

今年の冬の寒さが和らぎ、早春の桜が咲き始めようとしていた頃、私のお腹にいた赤ちゃんが産声をあげて生まれました。元気な男の子です。

ありがたいことに私の赤ちゃんを楽しみにしてくださっていた生徒さんが多くいらっしゃるのと、私の母も私を産んだときの日記を書いてくれていたので、思い出を書いておこうと思います。また、これからお母さんになる方や、お母さんでなくてもお母さんが大好きなあなたへも、やさしい気持ちが分かち合えたらと願っています。

初めて見る我が子。まさにいま産まれた直後の新生児というのは、初めて見たのですが、予想よりもずっと体格がしっかりしていました。

お腹にいた時から「丈夫な気がする」と思っていたくらい、発育バッチリな子でした。

妊娠中は「お腹の中の赤ちゃんを見たい!」と誰もが気になります。

お産で取り上げてくださった助産師さんが「つるんとしたかわいいお顔だねぇ」と言ってくださり、どれどれ?と思っていると、どーんと胸の上に置いてくださいました。

ウエーーーン!!!!!

それまでお産でヘトヘトになり、上手にいきむことに言葉通り“一生懸命”集中していた私は、分娩室に鳴り響く大きな声と泣き顔に安堵して力が抜けました。

出産したらずっと言いたかった言葉がありました。

「生まれてきてくれてありがとう」

そう言いたいのに、嗚咽で声が震えて、せきとめていた涙がバケツをひっくり返したように流れ出しました。

その瞬間、真っ赤な我が子が私の方に顔を向けながら、大きな口を開け、手足をニョキニョキさせているビデオが残っています。

身長は50センチ、体重はほぼぴったり3キロで、抱っこするのもしっかりしていて、足が思ったよりも長い!私が身長が低い分お腹もかなり窮屈だったはずですが、こんなに立派に育っていてくれたんだと感慨深くなりました。

母子共に健康なお産だったので「カンガルーケア」という、生まれたてホヤホヤの赤ちゃんをお母さんの胸にのせて、肌に触れ合わせる時間をとることができました。

帽子をかぶって全身きれいにしてもらった赤ちゃんが、仰向けの私のパジャマの中にちょこんとやってきました。

わぁーーーと声が出ました。

生命力がみなぎる温かさでした。そのときがはじめて赤ちゃんに触れた瞬間でした。

これから数えきれないほどタッチするわけですが、生まれて初めての瞬間は強く記憶に残り、素敵な思い出にすることができました。

あらためて大きさと重さを実感し、よくお腹に入っていたねと思いました。

細くて白っぽい指先を真っ赤な口に入れて、おしゃぶりしたり、私の胸元で一緒に指をつなぎました。赤ちゃんにとっても一生に一度の大仕事をしたばかりで、泣かずに穏やかに呼吸しながら、リラックスしていました。こうして人の一生が始まっていくのですね。

お産のあいだは夫も立ち会っていたので、ずっと励ましてくれ、産まれてカンガルーケアからしばらくは夫がずっと抱っこしました。私は体を起こせなかったので、隣で見せてもらい、カメラを撮り、家族だけの時間をゆっくり過ごさせてもらえて良かったです。

出産の兆候は妊婦誰もがドキドキするものです。陣痛が先か、破水が先か。いつ始まってもおかしくない時期と言われると、ソワソワしだすものです。

この子は満月から出産が進んでいきました。お腹も狭かったので私も頑張って歩いたりして、赤ちゃんがそろそろ出ようと頑張ってくれたのだと思います。満月の日は動物の出産が重なりやすいとよく聞きますが、神秘的です。

その日は朝から破水がきていよいよ入院となり、夫も準備万端でスタンバイできたので夫婦で慌てずにすみました。(もちろん気は昂ぶりましたが…)

小さな破水からで、よく気づいたねと言われたほどでしたが、そのおかげで落ち着いて産院に行くことができました。

出産してから退院までは4日と早めの産院だったので、あっという間に自宅に帰りました。

「もっと産院でゆっくり休めたらいいのにね」と心配してくれたこともありましたが、入院自体が産まれて初めての私としては、病室がなんだか非日常で気が休まらず、体はしんどかったですが家でほっとできてよかったです。

いろいろ振り返って、あらためてひとつずつが私を慌てさせないレベルで穏やかに赤ちゃんが出てきてくれて、ありがたかったなぁと思います。

最後に、胎盤と臍の緒と膜を見せてもらいました。どっしりと重そうな円盤の形をした胎盤は、ついたった今、役目を終えていました。

この胎盤と臍の緒が私と赤ちゃんの命を繋いでくれていたのだとこの目で見ることができ、生命の神秘に感動しました。

母は私を産んだあとにえりは宝物と書いてくれていました。私も我が子に同じことを思いながら、夜の病室で辛くてボロボロの産後の体で必死になりながらも、ギューーーッと抱きしめました。

いまは産後から5ヶ月になります。

本当にあっという間だった新生児の一カ月、大変だけれどかけがえのない時間でした。