再読して気づきました。
アドルフ・ヌリ(オペラ歌手で、ラ・シルフィードの台本を書いた)が登場していて、ヌリが亡くなったときにショパンが演奏してる...!と。
ショパンはアドルフ・ヌリと友人で、実はヌリが急死してしまった時にショックで悲しみ、弔いの演奏を行っていたというお話が出てくるのです。
アドルフ・ヌリは最近のブログで出てきていました。
「ラ・シルフィード」ができるまで マリー・タリオーニ主演・ジゼルへの影響 - バレエヨガインストラクター三科絵理のブログ
この「葬送」はとてもよく描かれている小説で、フランスやヨーロッパ芸術周辺の芸術家もたくさん出てきます。
ショパンの友人であったドラクロワ、恋人であったジョルジュ・サンド。またパリの芸術も彼らの生活のそばにあるので、さらりと出てくるのです。
ショパンは今やバレエによく使われる作曲家の一人です。当時はバレエのためではなかったのに、こんなにも私自身もハマってしまうほど…
ショパンにまつわる世界観は、音楽だけでなく、生きてきた軌跡もなんだか気にかかります。
あれだけ美しい音楽を書く人は、どんな人物だったのだろう?
すでにショパンの音楽はたくさん使っていますが、アーティストとしての部分。
ショパンの有名な肖像画を描いた、仲の良かったドラクロワもなんだか惹かれる画家なので、いつか作品のアイデアに。
パリ旅行で訪ねたドラクロワのアトリエも、とても素敵でした。
いつかなんらかのインスパイアにしたいとずっと思っています。
長いので、まずは読みやすい本からという方は、こちらのショパンにまつわる短い紹介が集められている本もおすすめです。
小説は長いので、いったんみんなで入りやすいのはこちらかなぁ✨ https://t.co/62Olfg00k9
— Ballet Yoga 🎀 ERI 三科絵理 (@mishina_eri) 2022年10月31日
小説はかっちりとした文体ですが、こちらは平野さんが取材を進めながら創作ノートに記録していた内容をもとに、小説にする裏側のエピソードなども柔らかい文体で紹介しておられます。
葬送は国内外の各界の方が称賛されていますが、このようにショパンのドラマを描けて、しかも当時の雰囲気を小説のスタイルに落とし込んで言葉にできる平野啓一郎さんは、本当に素晴らしい作家さんでおられます。