バレエヨガインストラクター三科絵理のブログ

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ガブリエル・シャネル展(三菱一号館美術館)Gabrielle Chanel Manifeste de Mode

ジュエリーは、人から羨ましがられたり、誰かを驚かせるためのものではありません。あくまで飾りであり、楽しむためにあるのです。(ガブリエル・シャネル)

ガブリエル・シャネル展が東京有楽町の三菱一号館美術館にて開催されています。(6/18から9/25まで)

日本ではシャネルの仕事に関しての回顧展は32年ぶりらしく、歴史的なシャネルスーツやドレスが展示されている本展を鑑賞してきました!

初期のドレスからうっとり見惚れるものばかりで、時代とともにジャージー素材のスーツ、香水、バッグ、アクセサリー、オートクチュールの作品群を観ることができました。

展示構成
新しいエレガンスに向けて
スタイルの誕生
N°5:現代女性の
目に見えないアクセサリー
抑制されたラグジュアリーの表現
スーツ、あるいは自由の形
シャネルの規範(コード)
ジュエリーセット礼賛
蘇った気品

実物をマネキンに着せてずらりと並ぶ空間は、もう圧巻です。

薄暗い中にやさしく光を照らされて浮かび上がる、手仕事の結晶。

洋服がありふれた現代に見ても、「素敵」と思わせる秘密が、一眼ではすぐにわからないほどのどこか細かいところに詰まっているのです。

いつの時代に見ても「これを着たら素敵だなぁ」と思わせる服って、よくよく考えてやはりすごいなと思います。

トレンドの流れにあると「今年ぽい」とか「少しトレンド遅れ」とか判断が入りがちですが、その流れを逸脱して、作りとしても美しさが気品になっている。そういうオーラを理解できました。歴史的ドレスだからまた時代の普遍性を訴えかけてくるのかもしれません。

訪問者みんながため息をついているのが互いに伝わってきます。

(今はコロナ対策か私語ができないので、とても静かなのですが、空気がもう…。)

一針一針の重みが、こんなにも芸術にまとめ上がるのかと、ほれぼれ感動します。

見惚れてうっかり「生まれ変われるならドレスを縫う人になってみたい」と思ってしまいそう…。

展示物の保護のためか、全体的にかなり暗い部屋でした。

家に戻り、図録でもじっくり見ています。拡大してくれている画像もあって、こんなに細かいビーズだったのか!と気づくこともありました。

ガブリエル・シャネルは、ブランドについては言わずもがな、文化的にもバレエ・リュスを資金援助したり衣装デザインもしていたところも尊敬すべき人物です。

バレエ・リュスのプロデューサー、セルゲイ・ディアギレフや作曲家たちとも長く親交を深めていました。そこでバレエ衣装も手がけていたことがありました。

この記事に書いたバレエ「青列車」はかなり先進的で挑戦姿勢のバレエです。

ここに込められたアヴァンギャルドなスタイルを挑戦できて、一方でまた正反対のようなスタイルのオートクチュールドレスを見ると、その技量の範囲に驚きます。こうしたものは、制作物に人柄や器が反映しますよね。受け入れるかどうかも含めて…前衛的なものに対しても特にそうです。

やはり時代を洞察する目と頭が伴っていないと出来ないことだと思いました。

そして、美への並々ならぬ探究心。さまざまな芸術家にも共通することですが、特にドレスのシルエットを見ていると、美しく見えるように計算することの探究心、誤解を恐れずに言うなら執着にも近いようなところが、20世紀の伝説なのだと実感できました。

本や写真集を見てもなかなか実感できないようなリアルな感触で、ガブリエル・シャネルの人生をたどるように構成されたこの美術展だからこそ感じ取れた発見でもあります。

以前にハマった同じ三菱一号館美術館での「フォルチュニのドレス」や「ショーメのティアラ」の展覧会も思い出します…。

三菱一号館美術館さん、いつも素敵な展覧会をありがとうございます!大好きです。

実は美術館の中で、こんな面白い取り組みがありました。これ、シャネルの映画などを見ている方はピンとくるあの鏡ばりの「螺旋階段」の再現!

一人ずつ写真を撮らせてもらえるのです。思い切って私もトライさせていただきました。(笑)

いろんな方が思い出に撮影していかれていたので、お越しになったときはぜひ。

有楽町のフレンチを食べて母と楽しい思い出ができました。

展覧会のチケットは事前予約制でなかなか取りにくくなっているので、お早めに予約するのをおすすめします。(会期は9/25まで)

「シャネル展なんて何を着て行ったらいいの?!」と思ったりもしますが、いつもの美術館に行くような気持ちで大丈夫でしたし、スタッフさんもみなさん温かい方ばかりでした。(お買い物しにいくのではなく、歴史を学びに行くところですからね)

機会があれば、ぜひ楽しんで来てくださいね!