体は、全身つながっています。
たとえば、背骨。
首から骨盤まで、カーブでつながっています。
カーブというのがポイントで、カーブの湾曲は、一部分だけでは作れません。金属のワイヤーなどをカーブに曲げる時も、全体をみて丸くカーブするように、バランスよく力をかけると思います。どこか一箇所に力をかけすぎると、きれいなカーブは作れません。
背骨のカーブも同じです。どこか一箇所に集中してカーブがかかると、骨を痛めてしまいます。
しかも、約5キロの頭と、上半身全体の重みを、重力に対抗して直立できるように支えています。
積み木のように、土台が崩れたら、その上も崩れてしまいます。 先端も、斜めに重たくきしみ始めたら、ぽきっと折れてしまうでしょう。
たとえば、腰痛のケースをあげてみます。
腰がだるいなあと思う時、まず腰の部分を考えると思います。
腰の姿勢が悪いのかなぁと思ったり、筋肉が凝っているのかな?と思ったり。
腰の姿勢が崩れている方は、たいてい背骨全体のカーブが崩れていることが多いです。
猫背だったり、首が前に出すぎていたり、おなかをつぶして腰をかがめて縮まってしまっていることもあります。
腰(腰椎)は、首(頚椎)からつながっています。
背骨の自然な湾曲は、カーブを描いているので、首の姿勢が悪いと腰までその乱れが繋がってしまいます。
つまり、腰痛の原因をたどると、背骨全体・首の姿勢などからも端を発しているかもしれません。
また、腰は、上半身だけではなく、お尻の筋肉・太ももの裏側の筋肉なども影響していることがあります。
たいてい、腰痛持ちの方は、お尻・太もも周りの筋肉も同時にこり固まっているケースを多く散見します。
体は、一部分だけを見ても、足りません。
一部分だけでなく、全体も見つめる視点が必要です。
体は、自然の摂理にしたがって、有機的につながっています。
人間が、体の部分を恣意的に分類して、名前をつけて、お互いに理解しやすいように、
「背中」「肩」「おしり」などとラベルをつけているわけですが、
体の内側は、科学では解明しきれない、意味のある関係性が、まだまだ多くひそんでいることでしょう。
肩こりだから、肩だけを見るのではなく・・・。
腰痛だから、腰だけを見るのではなく・・・。
全身のあらゆるところと、つながっている。
体の内を自らで感じる感性を研ぎ澄ませることで、肩こりも、腰痛も、自然な治癒力を引き出すことができるかもしれません。