バレエヨガインストラクター三科絵理のブログ

バレエヨガインストラクター三科絵理

数字では測れないダイエットの先に

体づくりにおいて、数字で測ることができるものと、数字で測れないものがあります。

体重で何キロやせた。 太ももが何センチ細くなった。 洋服のサイズが何号になった。

これらは数字で測ることができるものです。こうした数字があると、目標達成する上ではモチベーションが高まりやすくなる効果もありますし、成長を比較するために客観視しやすくなる側面があります。

でも、美しく生きるための体づくりにおいて、《数字に測れないもの》を忘れてはいけないと常に思っています。 もちろん体重を測ることなどを否定しているわけではなく、数字の物差しだけで盲信しない、ということです。 それは子どもの頃からバレエで学んだ信念でもあります。

バレエはプロポーションの条件が存在する過酷な世界です。だから他人と比較して自分のコンプレックスを見つけてはひがんだり、嫉妬したり、自分を追い詰めて苦しめてしまうようなことにも陥りがちな世界です。さらに悪化すると、摂食障害・拒食症なども散見されます。

私自身も昔から身長が低いことで群舞に入ることができなかったり、ダンサーとしては恵まれた体型ではないと感じていて、ずっとコンプレックスを持っていました。

でも、体の細さ・体重の軽さだけが本当の美しさではない、ということをバレエのあらゆる局面で学んできました。

どんなに体型のシルエットが細くても、性格や人間性からにじみ出るようなオーラが美しくなければ、心は感動しないこと。

コンプレックスを受け入れ、逆に好きなところは伸ばし、自分だけの輝き方を見つけること

そうしたことが、自分らしく踊ること、自分らしく生きることにつながっていくのだと思います。

昨今のダイエット・ブームの風潮を見ていると、数字での物差し、見た目・見栄えを良くすることなどが先行しがちなように思うことがあります。 そういったものに飛びついてやみくもに奮闘した結果、健康を害したり、心が置いてけぼりになってしまった・・・そんな経験をされた方もみてきました。

体重が何キロ減量したとしても、心がボロボロになってしまっては優雅さも生まれません。 頭で考えて”あれを食べたほうがいい、これは食べないほうがいい”、とギスギスした心になってしまうのも、個人的にはさびしく思います。どんなに理屈で美容に効く食品を食べるにしても、《美しい心で食べられるかどうか》の方が大切に思います

人が立っているだけで伝わってくる美しい空気感、きらきらとした瞳の輝き、豊かであたたかな表情、生命の躍動感とみずみずしさ、優雅さ。 心の豊かさがあってこその体づくりを目指したいものです。

体をていねいに感じることで自分自身を大切にするきっかけになったり、心の穏やかさが保たれたり、日常の幸福感が少しずつ高まっていく。そんな明るいポジティブなオーラこそが、この人と一緒にいたいなあと思わせるようなあたたかい美しさが広がっていくように思います。

そうした数字では測れないようなことが、複雑に絡み合いながら、心のストレスが軽くなったり、結果的に自然で健康な食生活・生活リズムを実践するようになったり、自然治癒力が高まることにもつながります。

そういった柔らかい小さな変化のつながりを、切り捨てたくないという小さな野望を持っています。