七夕に想いを寄せて。
私がはじめて天の川をみたのは、乗鞍高原でした。
標高が高くて空気が澄んでいて、都心からも離れているので街中の光もなくて、天体観測にぴったりの場所なのです。
運良く実際にみたときは、無数の星にもうびっくり。 しかも「天の川」の流れが見えるとは驚きでした。
目をどれだけこらしても見切れないほど、いろんな大きさの星屑たち。よくよく見ると、光の色もみんな同じではないのです。
果てしない星空の広がりを、全身のすみずみの細胞で感じていたら、
まるで自分が宇宙に飛んで行ってしまうんじゃないか・・という気がしてくるほど、時が止まったような雄大な宇宙が心に飛び込んできました。
そして隣に立っていた夫と話しながら、
目に映る星の光が、
今この瞬間に光っているのではないということを改めて実感して。
何光年もの時空を超えて、 地球上に立つ私のこの瞳に届いたから 光が見えている。
光は届いているけれど、 もしかしたら、その星はもう無くなっているかもしれない。
当たり前のことではあるのですが、
その現実が、奇跡の連続でもあったのです。
月が見えない新月で快晴の夜、
夫が乗鞍高原に連れてきてくれて、
こうして天の川に居合わせることのできた自分がいる。
うまく言葉にできないいろんな感情がめぐって、ちょっと心震えた瞬間でした。
地球は、宇宙のなかのほんの一部だし、
自分は、その地球のなかのほんの一部。
日本でこうして天の川を見られる場所が少なくなってしまった今、
いまの子どもたちや、
さらにその子どもたちは、
この天の川を見ることができるのかな。
私たちは子どもたちへ残していけるのかな、
いや、残していかなければいけないなあ、
と、時空を超えて残したい大切なものを考えさせられました。
・・・
乗鞍高原の天の川は、地元にお住まいの筒木猛さんが日頃から素晴らしい写真をおさめて世界中に発信されています。
わたしたちも乗鞍高原へ年に何回も足を運んでいますが、タイミングが合わないとなかなかここまでの美しい風景は撮影できず、筒木さんの写真はぜひご覧になってみてください。
Posted by 乗鞍高原 湯けむり館(Yukemurikan) on 2015年7月6日
Posted by 乗鞍高原 湯けむり館(Yukemurikan) on 2015年7月6日