木漏れ日の道で
一段高いところに
立派な切り株があった。
いびつな年輪の上に
トウシューズで乗ってみると
コツン、と音を立てた。
木肌がごつごつとした古木は
若草に囲まれながら
見晴らしがよくなった私の心を
弾ませてくれた。
年輪を切断した跡は
どこか心の奥で ずしん とするけれども
命が世代交代する森の中で
姿を変えながらも
ひと休みする居場所を与えてくれる。
世界的に有名なあの絵本「大きな木」
(原題 The Giving Tree)
で描かれている、
木が少年に「与える愛」の世界を
垣間見たかのようだった。