バレエヨガインストラクター三科絵理のブログ

バレエヨガインストラクター三科絵理

【バレリーナたちのしなやかで美しい生き方】人間が持てる美しさへの挑戦 "究極の自然体"

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まったくバレエを触れたことがない人が、初めてバレエを観るとき。

「人間ではありえない動き方だ…」 「体を壊してしまうんじゃないか…?」

こんな風に、どこか不自然さを感じる話を聞くことがあります。

私は正直なところ、 どっぷりバレエの世界に浸かって生きてきたので、 そういう視点があるのか…と新鮮な気もしますが(笑)、 ヨガなど様々な視点で体について見つめてきた上で あえて言葉にするならば。

むしろ 「究極の自然体」です。

この「究極の自然体」という言葉は、 どんなアスリートにも通じることだと思います。

訓練しない人にとっては、非日常であったり、不自然に見えたり、受け入れがたいことであっても、

そのダンスやスポーツを究めたい という一心で鍛錬を続ける人にとっては、 「究極の自然体」なのです。

バレエを習い始める子どもたちにとっても、 上のクラスのお姉さんたちが 頭よりも高く脚を上げていたり、 32回もフェッテで回転し続ける姿を見ると、 素直に愕然とします。 私もその子どもの一人でした。

そこで「自分には関係のないことだ」と思うと、

〈バレエは不自然なものである〉

という認識で終わってしまいます。

でも、バレエが好きでたまらない子どもたちは、

自分もお姉さんたちと同じような仲間に入りたい と、努力していきます。

そうした過程を通して、

不自然に見えていたこと

自分の体で受け入れていき

「究極な自然体」を丸ごと受け入れていく

ことにつながっていきます。

トウシューズで立つことも
股関節を180度開くことも、

ある視点から見れば、
不自然に見えるのかもしれません。

でも、物事を見る視点を変えると世界は変わります。

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バレリーナの視点にとっては、

生身の体、
いわば生まれたままの裸の肉体こそが表現手段であり、
そこには飾りも言葉もありません。

その肉体が表現できるボキャブラリーを増やしていった結果、
体の使い方が幅広く開拓できて、
それが日常であり、自分にとっては当たり前である、
という境地に達していきます。

だから、「究極の自然体」なのです。

一流のダンサーほど体に安全な使い方を熟知している

もしかすると、肉体を酷使したら怪我をするのではないか、という見方もあるでしょう。

もちろん生まれ持った体の特徴によって、関節を痛めやすいケースが存在するのは事実です。

でも怪我に潜む本当の実態は、正しい安全な体の使い方をしていないことの方が多い気がしています。

一流のダンサーほど、体に安全な動き方を熟知しています。

身近に接してきた方々から私が学ばせていただいたことです。

体にとって安全な使い方を知らぬままに、バレエは不自然なものであると決めつけてしまうのは、早合点で少し残念な気もします。

肉体という生き物を美しさに磨き上げていくこと

肉体は生き物であり自然の一部でもあります。 その自然がなせる美しさを人間らしく磨き上げた芸術の一つに舞踊がある。

舞踊は古代より神への祈りとして儀式に現れ、時代を経て今の様々なダンスへと面影を残してきました。

学ぶことや精神を鍛錬することと同じように、肉体にも向上心を持ち続けることができる。

そうしてバレリーナたちの鍛え抜かれた肉体が生まれていき、 それは究極の自然体であり、自然な美しさへの挑戦なのだとも思います。