背中を反らせようと後屈すると、腰がアイタタ・・・なんて経験、ありませんか?
後屈は特に、間違ったやり方をすると、健康になるどころか腰痛になってしまいます。正しいやり方を身につけましょう。
後屈のストレッチが大切な理由は、現代人の肩がすくんで胸が閉じやすい状態を改善させ、呼吸を深めてくれるからです。
ヨガインストラクター&バレエダンサー的な視点から、ヨガの後屈ポーズを効果的に深めるコツを紹介します。
後屈は「ハートを開く」こと
後屈が大切なのは、背筋をピンと伸ばして肩・胸を開くことです。
これを、ヨガは「ハートを開く」と言います。
ハートが開くと、肺が大きく広く膨らみやすくなって、呼吸を深めてくれます。
呼吸が深まると、「ハート」という文字通り、気持ちも明るくなりやすくなります。気分がふさがりがちな時・うつうつとした気分の時は、ハートを開くことを取り入れましょう。
「巻き肩」「猫背」になりやすい方は、後屈のストレッチを取り入れることで、姿勢を矯正する効果もあります。
このような立った状態でも、後屈ポーズです。
肩を左右に開いて、胸を開く
ハートを開くには、鎖骨を下ろし、肩の角っこを、左右に広げましょう。
肩が開くと、胸が大きく開く感覚はありますか?
これを、「胸を開く」と言います。
胸が閉じてしまっている人は、肩こりになりやすい人です。呼吸も浅くなってしまいます。
胸を開くことを体に覚えこませましょう。
同時に、肩甲骨を下げましょう。
(1)肩を開き、胸を開く
(2)肩甲骨を下げる
この2つは、良い姿勢を作る2大要素ですが、後屈をするための大事な土台でもあります。
後屈は、角度よりも「どれだけ体幹を正しく使えるか」
後屈は、どれくらい背中を反ることができたか?に意識が向きがちですが、それは危険です。
むしろ、「どれだけ体幹を使いながら後屈できるか?」が上達の鍵です。
角度は、一旦忘れましょう。
お腹を凹ませて・ウエストよりも上から反るつもりで後屈する
先の、胸を開く土台ができたところで、背中を反る(後屈)のコツに進みましょう。
それは、お腹を凹ませて・ウエストより上から反る(後屈する)ことです。
お腹を凹ませる理由は、後屈で腰を守るため
後屈は一歩間違うと背骨を痛めます。その多くが、腰だけで後屈のカーブを作ろうとしてしまいがちなことです。
くれぐれも、腰だけでカーブを作らず、ウエストよりも上から反るようにすることです。
バレエダンサーが背中を反らしても腰を痛めないようにしている秘訣は、ここにあるのです。
よくあるケース :お腹やお尻を突き出さない
後屈しようとするときに、お腹がポッコリ前に・お尻はアヒルのように後ろに突き出していたら、危険です。腰だけで変な圧力をかけて後屈している状態だからです。
ウエストよりも上の背骨(胸椎と言います)は、後屈しにくい部分なので、多くの人が腰だけで頑張ってしまいますが、腰椎の原因になってしまいます。
お腹を凹ませることで腹筋が働き、背中全体でカーブを作ろうとすることで、正しい後屈の形になっていきます。
ウエストよりも上から、腰を守りつつ後屈できるようになっていくのです。
体幹を正しく働かせて後屈していると、お腹やお尻は突き出さないようになります。
後屈を制する者は、体幹を制する・・・
といっても過言ではないくらいに、腹筋と後屈はセットで考えなくてはならないものです。
後屈は、角度よりも「正確さ」を追求していきましょう。
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