ストレッチ上達のために習慣が大切な理由
みなさんは、体にも「スキル」があることをご存知でしょうか。
仕事のスキル、外国語のスキル、家事のスキル、などと同じように、体の動きもスキルです。
ストレッチを上達させたいというとき、それは、ストレッチのスキルを上達させたい!ということになります。
たとえば、前屈ができるようになりたい人ならば…
前屈に必要な体の動き=
「股関節から上半身を前にかがめて、ハムストリングスを伸ばして、膝の関節を伸ばす」
これが、前屈のスキルです。
では、体のスキルを獲得するには、どのようにしたらよいか?
それには、正しい方法で行うのを、習慣にさせること が大切です。
目標とする体のスキルを、当たり前に行えるくらいに、あなたの習慣にさせるためには、以下の4つのステップがあります。
習慣の4ステップ。覚えておきましょう。
1. 方法がわかる
まずは、方法がわかる ことです。
前屈ならば、正しく前屈するための方法を理解して、「わかった」という状態になることが必要です。
わかったつもりでも、実はわかっていないことも、時にはあります。
正しく効果的で安全な体の動かし方を、何度も咀嚼するつもりで理解することです。
2. 自分でできる!
誰かに手助けしてもらったり、人の真似をしてなんとなくやるのではなく、 自分一人でできる ようになることが大切です。
初めてのスキルを学ぶときは、まず見よう見まねでマネをすること。
先生や上手い人の姿を見てマネをしながら「あー、こうやるんだ」と勉強になりますよね。
バレエやダンスなどのレッスンでしたら、順番・方法がわからなくて、お手本となる人のマネをして学ぶことは不可欠です。
そして、マネをしてできるようになったら、今度は、お手本がなくても一人でできるようになること。
これではじめて、第二ステップの 自分でできる! ようになります。
3. 意識してやり続ける
その先にもっと大切なのが、意識してやり続ける です。
自分でできるようになったとしても、一度きりでは意味がありません。
できるようになっても、安心しないで、意識してやり続けることです。
意識できていなかったら、注意力が足りないということ。
人に言われてからやるのではなく、自分から進んで、やり続けることで、習慣化のレベルが高まります。
4. 自然にやっている!
さらに上達した先には、意識しなくても、自然にやっている! という状態にたどり着きます。
ここにきてはじめて、習慣になっている といえます。
意識しなくても、勝手に体が動くほどに、やるのが当たり前になります。
前屈をするとき、自然に先生に指摘されたことをやるようになっていたら、スキルが身についたということです。
意識しなくてもできるようになるほど、言葉にできないスキルとなり、暗黙知(あんもくち)となっていきます。
無意識にできるようになってこそ、高度なスキルを同時に実行できる
スキルを専門的に深く熟達している人は、暗黙知をたくさん持っている人です。
体の奥深くまで、自分なりに体感したスキル・暗黙知を、たくさん織り込んでいるのです。
意識しないとできないことが多いと、同時にいろんなことはできません。
たとえば、膝を伸ばす、とか、姿勢を良くする、ということをすごーく意識しないとできない状態では、さらに高度な動きを同時にやることはできませんよね。
でも、習慣になっているスキルがたくさんある人は、意識しなくてもできることがたくさんあるからこそ、高度な動きを同時に沢山できるようになるのです。
1つでも多く高度なスキルを身につけよう
体をしなやかにしていきたい、体の動き・パフォーマンスを高めていきたい、という方は、ぜひ第四ステップの自然にやっている! を、1つでも多く増やしていきましょう。
先日のストレッチ入門講座で行った、足の指トレーニングも、その1つです。
かなり地道なリハビリのようなトレーニングで
「指を伸ばしたいのに、曲がっちゃう」
「思うようにまっすぐ伸ばせない」
みなさんの中でいろんな気づきがありました。
これも、自分でできるようになり、意識してやり続けることで、あなたの習慣になっていき、足の指を効果的に使うスキルが身についていきます。
どんなスポーツでも、ストレッチでも、バレエ、ヨガでも、この習慣の4ステップは共通していますので、心に刻んでおきましょう。