世界共通の、普遍的な美しさって、なんでしょうか。
たとえば、空が綺麗だなぁ、とか、これは絶景だなぁ、とか。人の笑顔も、世界共通と思います。
そして、クラシックバレエというのも、世界共通の美しさといえます。
400年ほど前にイタリアで生まれ、フランスで発達し、いまやロシア・北アメリカ・南アメリカ・アジア・オセアニアなど、世界各国に広まっています。
みんなが「美しい」と思えることは、平和につながる、素敵なことだと思います。
そもそものバレエの起源は、王侯貴族の宮廷文化から生まれた「バロックダンス」です。
当時、バレエが上演されていた劇場は、まさに、貴族たちの社交の場でした。
現在の劇場というのは、市民に広く開放された場ですが、当時は今よりも格調の高い空間であったことでしょう。
特に、フランスでは、ルイ14世がバレエ大好きであったため、バレエの文化が発達していました。
そして、驚くことに、貴族は、バレエが上手に踊れると権力を手にする可能性が高まったのだそうです。
信じられないかもしれませんが、バレエは権力と密接であったのです。
だから、貴族たちにとっては、バレエを踊れることが自分自身の身を左右する重大な課題でした。
そうしたら、みんなバレエを学びますよね。
なので、当時は男性が中心。
意外ですよね!!
今でしたら、バレエといえば女性のバレリーナを先に思い浮かべるはずです。
現在の感覚でいうと、バレエと権力の結びつきは正直想像しにくいと思います。
でも、やはり、バレエとは国家の力で成長させてきた文化でもあります。
劇場にしても、衣装にしても、音楽の作曲にしても、経済的なバックボーンがなければ制作・上演すらできないものです。
バレエ学校も設立するにも国レベル。
一個人一人一人の力だけではなく、国力の大きさとバレエへの造詣の深さが、きらびやかなバレエの世界を成してきたのです。
余談になりますが、ヨガも、長い歴史の始めは男性中心の世界でした。女性にもヨガが開放されたのは近代になり欧米でもヨガを取り入れられるようになってからのことです。舞踊も、ヨガも、やはり神聖なもの・権力を司るものに近い存在であったことがうかがえます。
バレエの基礎である、足のポジションが発明されたのもこの時代です。
(関連記事→ http://blog.coruri.info/entry/2016/06/23/124523)
そんな背景を経てフランスで発達してきたバレエですが、ルイ14世亡き後、ルイ16世の時代にフランス革命が勃発します。
ルイ16世といえば、王妃はマリー・アントワネット。彼女も、礼儀作法や立ち振る舞いのためにバレエを学んだそうです。彼女は鑑賞も好きで、自分のためにきらびやかな小さい劇場まで宮殿の中に作ってしまいました。
そのフランス革命によって、ルイ16世は処刑され、王侯貴族たちの立場が追いやられることとなりました。
それでも、貴族たちの文化であったバレエが、革命で失われることはありませんでした。
その理由は、厳密にはよくわかっていないようです。*1
ただ、当時は、プロの「ダンサー」という職が成立しはじめる時期でもありました。
ルイ14世が晩年は引退して踊らなくなったことをきっかけに、貴族でも踊る人が減りました。それでも鑑賞するには踊り手が必要です。そこで、職業として踊り手となる人が登場しはじめていたのです。
私の勝手な推測ですが、きっと、一般市民から見ても美しかったバレエは、破壊するのではなく、むしろ広く開放して、自分たちも楽しみたかったのではないでしょうか。
その証であるかのように、フランス革命以後の作品には、作品の主題が王などではなく、一般市民や村人、田園風景などが主題であるものへと変わっていったのです。
きっと、一般市民も、自分たちの人生を作品に投影しながら、バレエを鑑賞したかったのではないでしょうか。(個人的な推察です)
こんなエピソードを知ると、さらにバレエという文化が面白く見えてきますね。
くわしく気になる方はこちらもぜひ読んでみてください。
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