大人の初級バレエクラスのグループレッスンを5月14日に新宿マイスタジオにて開催しました!
バレエ作品「ジゼル」の2幕にある精霊の踊りを練習しました。
ジゼルといえば、可憐で初々しい女の子の悲しい恋愛がテーマの作品で、特に死んで精霊になってしまった場面では、感動のシーンです。
今回の参加者さんの中には、人生でバレエ初体験の方も数名いましたが、「ジゼル」という物語のあらすじと、精霊という演目の背景も一緒に考える時間をつくりました。
そこで、踊りでは、みんなすっかり精霊の気持ちで演じ切っていました!
踊りを通し終わった最後、息をひそめながら、ポーズに入った瞬間、森のようなヒヤッとした空気を感じましたよ。
バレエが初めてでも、楽しくチャレンジ
この日は、いつもの参加メンバーさんのほかに、バレエを人生で初めて踊った人もいましたし、10年ぶりにバレエを踊りましたという方もいました。
それでも、一人一人から「踊るのが楽しかった」という感想をいただきました。
バレエの知識や経験が違っても、一緒に踊りを楽しむために、2つのことを大切にしました。
難易度はやさしめ、でも柔軟にできるようにした(足を上げる高さは自由、など)
ジゼルの物語を自分なりに想像しながら、感情移入できるようにした
バレエのレベル設定というのは、柔軟性・筋力・知識の有無でもみなさんバラバラなことが多いです。それでも、バレエらしい踊りの醍醐味を毎回楽しめるようにしています。
ジゼルのあらすじ
『ジゼル』は、美しい村娘〈ジゼル〉の名前のことです。恋物語で、精霊が出てくるのが特徴です。
ちょっと長くなりますが、紹介しておきます。
ジゼルは、ある日に村へ来たアルブレヒトと恋に落ちます。でも、彼は貴族で、婚約者までいたのでした。
アルブレヒトは、自分の正体を隠してでも、ジゼルに近づき、2人はすっかり相手に惹かれ合います。
そんな2人をよそに、ジゼルのことを実はひそかに片思いしていた青年ヒラリオンがいました。突然やってきたアルブレヒトに、可愛いジゼルを奪われて、おもしろくありません。
そんな中で、ヒラリオンは、アルブレヒトの剣を見て、彼が本当は貴族の身分であることを知ってしまいます。「彼はジゼルを騙している、これは暴いてしまおう」と意気込みます。
ある日、アルブレヒトの婚約者バチルド姫の一行が、狩りの最中に村へ立ち寄り、バチルド姫とジゼルは仲良くなります。
二人は若い女性同士で、お互いに恋人がいることもあって相手の幸せを願いました。でも、まさか、二人ともアルブレヒトを想っているとは知らなかったのです…。
そこへ、ヒラリオンがアルブレヒトの剣を持ってきて、村のみんなに晒します。アルブレヒトは、身分をごまかせなくなってしまいます。もう何も言い訳できなくなってしまい、バチルド姫の手をとってキスをすると、ジゼルはショックのあまり狂乱してしまいます。
もともと体が弱かったジゼルは、精神が狂乱したあまりに、死んでしまうのです。
ここで、1幕が閉じます。
そして、2幕。薄暗い森の中に、白い精霊たちがひそんでいます。
この村では、嫁入りする前の若い女性が死ぬと、精霊(ウィリー)となってしまいます。
ジゼルも花嫁のような白いヴェールを被って現れ、精霊の女王ミルタの前で、ヴェールがとられ、精霊の一員となります。
女王のミルタは恐ろしい雰囲気で、精霊たちに、森に迷い込んできた若い男を攻撃して殺すように指示をします。
ジゼルに片思いをしていたヒラリオンが、森のジゼルの墓にやってくると、あっというまに追い立てられ、命を落としてしまいました。
そして、アルブレヒトもやってくると、ジゼルの精霊と再会します。
女王ミルタが、アルブレヒトも追い詰めようとしたときに、ジゼルはなんとか命乞いをします。
どうにか、助けてください!
ジゼルは、自分を裏切ったアルブレヒトのことを、やっぱり愛しているから、許してあげたのです。
すると、ちょうど朝が訪れ、精霊たちは森から去る時間です。アルブレヒトは、どうにか命が助かりました。
ジゼルは、アルブレヒトと別れを告げて、静かに去っていくのでした。
これで、全2幕のお話です。
精霊のイメージをふくらませて、踊りにする
そんなあらすじを理解してから、踊りに表現していきました。
その場で「アラベスク」「パドブーレ」「プリエ」などの動きを組み合わせながら、見よう見まねで覚えていきます。
バレエの経験者の方は、やさしいレベルでありながらも、シンプルな演目を踊り通す練習の機会になります。ふだんのレッスンで学んできたことが、活かされますね。
また、子供のころからバレエを再開した人も、「あの経験は無駄ではなかったんだ」と思えるはずです。
原作の「精霊伝説」岩波文庫
ジゼルの話を書いたのは、フランス人の詩人ゴーティエです。ゴーティエは、新しいバレエ作品をつくるために、オーストリアの小さな村で信じられていた、精霊(ゆうれい)伝説から着想をえて、ジゼルを書き上げました。
ジゼルというと、1幕の可愛らしい村娘の踊りも人気ですが、もともとは精霊の場面が先に出来上がったそうです。
若い女性が結婚する前に死んでしまうと、精霊となって森に住んでいると考えられていたのです。
実際に、岩波文庫で流刑の神々・精霊物語 (岩波文庫 赤 418-6)というのがあって、ゴーティエはこれをもとにしたと考えられています。(長くなるのでまた別記事で紹介します)
「バレエにゆうれい?」と思うと恐ろしく感じる人もいるかもしれませんが…
結末に、ジゼルが愛と許しを見せたことで、遊び心があったかもしれないアルブレヒトにとっても「真の愛」になったかもしれません。
そんなふうに、解釈もいろいろと深まるきっかけとなるいい題材となりました。
バレエレッスンをしてジゼルに興味を持った方は、全幕の公演を見たり、物語も読んで見てはいかがでしょうか。
参加者の声
バレエのワンシーンを踊るのは、発表会等に出ないとなかなか経験できないのでとても嬉しかったです。
動画で先生のやさしいお人柄を拝見していたので、勇気を出して参加することができました。
地道なストレッチや筋トレを続けるのは、モチベーションを保つのが大変ですが、次回、お会いできた時に少しでもキレイになれるよう頑張ります♫
ありがとうございました
早速のご感想ありがとうございました♪ 想像力を働かせて、しっとりと演じてらした姿が印象的です。
また、みなさんからのメッセージも少しずつご紹介します。
みなさん、おつかれさまでした!
使用した音源
次回のレッスン予定
5月24日(日)スペインの踊り(くるみ)
有名なチャイコフスキー作曲の「くるみ割り人形」より3幕のスペイン(チョコレート)の踊りを練習します。
5月21日(日)15:00〜17:00 満員となりました
新宿マイスタジオ 4Bスタジオ・参加費3500円
6月10日(土)「ライモンダ」1幕よりグランワルツ
グラズノフ作曲の壮大な優雅なグランワルツを踊ります。ライモンダ全幕以外にもよく小品集などで使われる人気のバレエ曲です!
6月10日(土)13:00〜15:00
新宿マイスタジオ 4Bスタジオ・参加費3500円
お申し込みフォーム https://form.jotform.me/71121494253450
6月24日(土)カルメン
ジョルジュ・ビゼーが作曲のオペラで有名な「カルメン」を踊ります。有名な曲でフィギュアスケートでも人気があり、バレエが初めての人でも親しみやすい曲です!
6月24日(土)13:00〜15:00
新宿マイスタジオ 4Bスタジオ・参加費3500円
お申し込みフォーム https://form.jotform.me/71328876452464
レッスンのご案内
レッスン全般についてのご案内は、こちらからご覧ください。