新しいバレエティアラを取り寄せました。淡いブルーとシルバーが基調のエレガントでクラシカルなティアラ。桃色がかった紫が、ふんわりと柔らかさも引き出しています。
今、「くるみ割り人形」のグラン・パ・ド・ドゥの音楽でソロ作品を創作している生徒さんがいまして、その雰囲気に似合う印象をビビビッと感じました。
甘すぎない大人っぽい色づかいで、青い鳥のフロリナ王女や、海賊、タリスマン、シルヴィアなどの淡い色にも合いそうです。
私のレッスンでは、大人の生徒さんにもティアラをつけてレッスンしていただくことがよくあります。
理由は2つ。
頭の姿勢を意識する
バレエの美しさの原点である高貴なイメージを想像する
この2つは、本当に大切なのです。はじめは「わたしがティアラなんて」という反応を8割以上の人がされるのですが、実際に経験した人にしかわからない深い気づきをもたらします。
まずティアラをつけると、頭を雑に動かさないようになります。頭は普段意外と無防備です。でもティアラをまとうと、自然と頭の周りの空気に緊張感が生まれ、目線が上がり、頭を高く保とうと意識しやすくなります。
バレエに慣れ親しんでいないと、「頭にティアラをのせる感覚」は普通持ち合わせていない人がほとんどです。
そこへ表面的に指示を出して「頭を上げて」「首を伸ばして」と言っても、その場では一瞬直るかもしれませんがまた繰り返してしまいます。
かつて私も幼い頃は同じでした。無意識レベルにまで実践できるほど身につけるというのは、一般の人が思う以上に地味で些細なことの繰り返しです。
ティアラをのせてみると、バレエは高貴な舞踊であることを再認識します。そして、こうした身だしなみにも似合う立ち振る舞いをしなければならないのだと自分自身でおのずと気づくのです。
エレガントなものを身につければエレガントになれるわけでない…!!
どうやって着こなすか、どんな立ち振る舞いをするかで、こんなに変わってしまうものなんだ……!!
…ガタガタガタッ!!!と、心の中で大革命が沸き起こると、その人の人生が変わっていきます。
日常生活でどんな姿勢をしたらいいのか。歩くときはどんな気持ちで意識をするのか。
理性ではなくて、感受性で「こうしたい」と愛をもって感じられるようになるのです。
アクセサリーが似合う姿勢でバレエを踊ること。
これは単なるお洒落に聞こえがいいように言っていることではなくて、骨格から姿勢を正し呼吸を深めてデコルテは女性らしく開いておくことの緻密な努力が引き出します。
バレエは、スポーツではありません。ひとつひとつの動きは、体を使いますが、踊りとして、芸術として意味をもっています。
気持ちが変わらなければ、バレエの面白さに出会えないで終わってしまうだろう…
それならば、少しでもバレエの原点に触れてほしい、と思ってのことです。
言わずもがな、チュチュレッスン、プレポアントも、想いは同じです。(^^)
さて。ご覧いただいているように、届いた直後に服のままのせると違和感マックス(笑)ですが、大切なことをひらめきました。
まだバレエの世界に足を踏み入れたばかりの生徒さんにティアラをのせてあげたときのような、人生がときめいていく瞬間を見届けるのが大好きなんだな…と自分を振り返りました。
そして、そんな力強いエネルギーをもっともっと必要としている人へ届けたい。
たとえ、ちょっと疲れていたり、やや元気が足りなくなっている人でも、ちょこんとティアラをとめつけてあげて、「私もこんな姿でバレエをしていいんだ…」と瞳が輝き出す。
そういう瞬間を見るのが好きだから、インストラクターの仕事が好きです。
心のスイッチが入って、人生が変わりだす。
バレエを通じた人生のコーチングをもっともっと広げていきたいと思います。