アーユルヴェーダでは、ヨガをしている人は健康寿命が10年伸びると言われます。
アーユルヴェーダというと、オイルマッサージがよく知られていますが、本来は食事・睡眠・運動・時間の使い方などの生活習慣の要素と、体質の違いの要素を合わせて、日常生活全体から健康になるためのセルフケア術が詰まったインドの伝統的な生命科学です。
明らかな病気が発症していなくても、アーユルヴェーダでは「未病」というプロセスを4つに分けて考えるほど、発症を予防することを大事にします。
ヨガとアーユルヴェーダを上手に組み合わせて、日常生活の質がより高まるヒントを見つけてみてはいかがですか。
現代人は原因が特定できない不調を抱える人が多い
不調の種類は、あらゆるものがあります。頭痛、胃腸の疲れ、便秘、めまい、立ちくらみ、肌荒れ、精神的な疲れなどの不定愁訴な症状。
でも病院にかかっても、特にこれといった病名がつかなくて治療法もイマイチわからなかった・・・。こんな経験、みなさんあるのではないでしょうか。
日常生活に支障があっても治療法がわからない悩み
昔、私も全身に小さな不調がたくさん現れてしまったことがありました。
日常生活に支障が出るほど、自分では症状を感じて困っているのに、病院では具体的な治療法がわかりませんでした。
なんだか見離されたような気持ちで「どうすればいいんだろう?」と途方にくれたことがあります。
アーユルヴェーダでの未病と予防
現代的な西洋医学の視点では、明らかな「病気」と判断されないときでも、アーユルヴェーダでは「未病」ととらえ、症状が小さなうちから予防することを大事にします。
西洋医学とアーユルヴェーダでは、根底にある思想・視点が違うので、「病気」に対する考え方も異なるのです。
アーユルヴェーダでの「未病」の定義
アーユルヴェーダは、「健康」と「病気」の間に「未病」という考え方を細かく定義しています。
未病は蓄積・増悪に始まり発症する
健康→蓄積→増悪→拡散→極在化→発症→慢性化
未病には、「蓄積」→「増悪」→「拡散」→「極在化」 の4つに細分化しており、それでも進行すると、はじめて「発症」して「慢性化」すると考えます。*1
たとえば、胃腸の調子が悪いけれど、病院では病名を診断されないくらいの不定愁訴な症状があるとしましょう。
アーユルヴェーダは、胃腸の調子が悪くなるプロセスを考えます。
そして、症状が進行していく前に、胃腸を改善させるために、「消化力」を高める対策を考えるのです。
消化力を高めるために、やさしい運動を心がけたり、消化力を高める効果のあるショウガを食べたり、胃腸に負担をかけないように消化しやすい時間帯に食事をとるように心がけたり、コーヒーの代わりにハーブティーを飲んだり・・・。
こうした小さな積み重ねでも、体調が回復することはあります。
発症する前から生活習慣で予防する
病院では具体的な診断がなくとも、アーユルヴェーダは目に見えない小さな不調から、予防するアプローチをとっていきます。
病気が発症する前の、未病の段階からも予防的なアプローチをとることを重視しているのです。
だから、食事・睡眠・運動・時間の使い方などの生活習慣をふくめて、セルフケアを意識することをすすめているのです。
ヨガとアーユルヴェーダを組み合わせよう
ヨガとアーユルヴェーダは兄弟のような存在で、密接にかかわっています。
アーユルヴェーダの生活術では、ヨガで健康な体の基礎を作ることを勧めています。
ヨガをライフスタイルに取り入れたいという人は、きっとアーユルヴェーダの生活術も参考になるのではないでしょうか。
アーユルヴェーダの食事についての記事はこちら。
参考図書