みなさんは、スポーツ自転車ってお持ちですか?
夫が昔からロードバイク大好きで、長野県乗鞍岳(ヨガ・リトリートの開催地)で毎年ヒルクライムレース(自転車で山頂に登るレース)に参加しているため、じゃあ私も趣味の1つに…と、ロードバイクを一台自分用に持っていました。
でも、平地ならばともかく、登るというのはとても大変な運動です。なので登るのには挑戦したことがなく、
「乗鞍岳までいつか自転車で登れたらいいな… でも自分にはまだまだ無理だな〜」と、思っていました。
そんな私がヒルクライムにチャレンジした様子を紹介します!
ヒルクライム中、ハムストリングスが辛くて思わず壁でストレッチしちゃった🙌脚スッキリしたいときのダンサーの習性🤣 pic.twitter.com/disAS8KLwK
— Ballet Yoga 🎀 ERI 三科絵理 (@mishina_eri) 2017年8月30日
バレエダンサーが自転車で山を登れるのか?
バレエの世界では、「自転車は太ももが太くなる」という都市伝説のような話があって、あまりダンサーは自転車でヒルクライムまでしようとは思いません。
ただ、本当に筋肉が太くなるのか?というと、一概には言えず、ランニングよりも足の故障を防ぎながら心肺機能のトレーニングに効果的なのでは、というのが今の私の仮説です。
というのも、英国ロイヤルバレエ団で元プリンシパルの吉田都さんも、パーソナルトレーナーの方に、筋肉が太くならずに心肺機能を鍛える方法として、自宅でこげるバイクを借りて、日々トレーニングしていたのだそうです。
そして、実際にヒルクライムレースの参加者である人たちを観察していると、みなさんピタピタのタイツですが太ももが激しくムキムキな人は意外と少ないんです。
太ももがかなり太く発達する競技といえば、スピードスケートと、競輪。かなり立派な太ももの筋肉になられている選手が多いですよね。
どちらにも共通しているのは、平地で速度勝負の競技であること。
速筋が鍛えられ、有酸素運動になる前に競技が終わってしまうような短距離のスポーツ。
一方で、ヒルクライムレースの一般的な参加者の方はそこまで発達していないように思えました。それは、優勝者でも1時間、初心者ならば2時間以上かけて筋肉を持続力で働かせ続けるからではないかなと、私自身の視点では考えました。
自転車の心肺機能トレーニングの効果
私の心肺機能は、日々鍛えていないと弱くなりやすく、気をつけています。とはいえ、ランニングを長距離するとバレエのための膝・足首を故障しかねないので激しい衝撃吸収はできません。
平常時は、心拍数70bpm前後です。男性よりも女性の方が10以上高いと言われます。(ヒルクライマーの夫は60前後のことが多いです)
歩くと、速さによって、90〜110bpmになります。
踊っていると、速いテンポや激しい動きでは、170〜180bpmにまで達します。170bpmを何時間も継続させるのは、普通はかなり困難なレベルです。ただ、バレエでは音の間に休憩を挟んだり、演目の順序などもあるので乗り切れるのですが。
そんな私が自転車に乗ると、平地でかなりスピードを上げて(脚力が大丈夫な限り)120〜150bpmになります。これでもダイエットには最適の有酸素運動で、しかも数時間こなしやすいレベルです。
しかし、乗鞍岳に登るような急坂は、一気に170bpmまで上がります。どれだけきついのかがわかります。
ヒルクライムすることに!
そんな私がヒルクライムしてみよう!ということになったのは、夫と、乗鞍の地元ので仲良くさせていただいているバーのマスター(ここではマスターと呼ばせてください^ ^)に誘ってもらえたから。
2人ともヒルクライム慣れしている男性なので、超〜足を引っ張ること必然だったのですが、いいよー!と言ってくれたのでチャレンジすることにしました。
ヒルクライム前の心配ごと
脚が痛くならないか?(太もも、ふくらはぎ)
おしりが痛くならないか?(座り方や体幹が働かないと痛くなりやすい)
肩や腕が痛くならないか?(女性の初心者に多い)
心肺機能が大丈夫なのか?
筋肉痛にならないか?
などなど、心配ごとは尽きませんでした。が、まずはやってみるべし!
実際にヒルクライムしてみた!
時間は、気温と天気が穏やかな朝に出発することに。
朝の7時半、「三本滝」というレース途中のマイカー規制になる道から山頂の畳平を目指して、出発!
ドキドキの私がだんだん力尽きていく様子をご覧ください(笑)。
ロードバイクに乗るのが一年ぶり(?)の状態のため、かなりおっかなびっくりで乗り始めました。
ほどなく、素晴らしい景色が広がるなか、体力との戦いがスタート。
登り始めてすでに155bpmに達します。まだウォームアップしきっていない中で、ちょっと心肺が苦しい…傾斜があるので、初めから脚もフル稼働です。
写真は自分でまったく撮れないので、マスターと夫が撮ってくれました!いい景色!!でも見る余裕がない…(笑)
黙々と進むのは心が折れるので、話ができる程度を心がけて上がっていきました^_^(160bpm以下だとなんとか!)
お天気もぴったり!
だんだん、ヘアピンカーブが出てきます。まっすぐの急坂も辛いんですが、登りながらのカーブはヨタヨタになります…
がんばれー!と応援してくださいながら写真撮ってくださるマスター(やさしい)。
ヒルクライマーにとっては、いつもよりかなりゆっくりなペースのはずなので、待たせて申し訳ないけどがんばります。
やがて!山荘が見えてきた!
位ヶ原山荘のポイントに到着しました!
以前はスタート地点をもっと低い地点からチャレンジしたとき、この手前で挫折したことがあったので、ここまでくるのは新記録!(スタート地点が違うので当たり前なんですが)標高が上がってくるので、結構しんどい… 山荘のご主人にご挨拶して数分休憩。
この区間はヘアピンカーブが多く、上から見るとこんな感じ。(左は位ヶ原山荘、右は冷泉小屋)
バスでもかなりぐるん〜〜!と回りこむカーブですが、自転車もほんとに1回転ずつがタイヘンです〜。
軽く水分補給して、先に進みます。
いつもは、バスで登っている道。景色が広がるはずだけど、さらに標高が高くなっていきます。
休憩が一気にチャラになる急坂。
ここまでくると、歩かないとか言ってられません。立ち止まらないけど、歩きながら休ませて、また乗る。
自転車のことだけ考えるとしんどいんですが、景色はますます美しくひろがります。8月終わり、秋の気配。
一般的な初心者(私)は必死なんですが、ヒルクライマーの2人はまだ余裕そう。ヒルクライム、恐るべし。
あー!いい景色だ!景色を見ると、またあとちょっと、ってがんばれる。
ヒルクライム慣れしている2人は、急坂を行ったり来たりできるほどの余裕が。(笑)
やっと、山の上の大雪渓が見えてきました!
大雪渓は夏でも雪が残っていて、バス停「大雪渓」を下りて夏スキーする人もいるんですよ。
それにしても、ヒルクライム大好きな人すごいな〜〜。なんで、みんなヒルクライムするのって哲学的な問いを考えながら(笑)まだまだゴールは先。
初心者の私を見兼ねて、2人が徐々に押してくれるように!(笑)とはいえ急坂を登っている最中なので、すごーーくしんどいはず!
ちょいちょい押してくれて、少し楽になったところで離れた途端に重たい…でも応援してくれる気持ちがうれしくて、度々生き返りました。
遠くにあった大雪渓が、目の前に!!ひゃーー!すごいところまで来てしまった!(まだゴールじゃない)
スキーしてる人いました!
「道の脇それて、自転車止めてみー」と言われて、停車したとたん。
ばさっ。アミノバイタルを恵んでもらって、生き返る〜!
ここまできたら、森林限界超えて、ゴールの畳平まで行く!とスタート。
ここからが、本当に天空の景色。
でも、足が回らない。
脚が疲れきってしまっているのか、もう回したいけど回せない。下では160〜170bpmになるまでペダルを回せることはあっても、ここでは155bpmまで。
よく、レースのみなさんの言う「ここが本当に進まない」っていうぼやきが十分によーーーくわかりました!!
見晴らしが広がってゴールが見えてくるんだけど、それが遠い…
最後の急坂!!
(最後の最後にこんなに上がるかっていうカーブの急坂)レースでもここがデッドヒートするらしい…
この県境を越えれば、畳平!!
やったーーー!きたよーーー!
ホントにホントにありがとうございました!
かかった時間
三本滝〜畳平まで14km、約2時間30分。平均心拍数は、155bpm。総合消費カロリーは872kcal!
畳平まで上がることができると思わなかったので、感動!!
気になる体の調子は?
ヒルクライムレースの選手の方々は、かなりハイスピードで駆け上がり、優勝者は車よりも速いくらいのことがあります。
私はかなりゆっくりペースだったんですが、それでも心肺も脚力もへとへとで、ヨレヨレでした。
でも、意外なことに、筋肉痛はありませんでした!!
たぶん、バレエでも脚力はかなり使っているので、最低限の筋肉はついているのだと思います。
また、体幹を働かせてロードバイクに乗るというのが分かるようになっていたため、おしりも痛くありませんでした。(サドルと骨盤の相性もよかったのかも)
強いていえば、下山するときに自転車のブレーキをかけながら急坂を下りるのですが、ブレーキをかけないと約60〜70kmくらい速度が出てしまうと言われる傾斜で、ブレーキを押さえる手の握力を使います… たぶんおしりが痛くなったり上半身が崩れると手も結構痛くなるのですが、今回はさほど大丈夫で無事に下山できました。
下山の途中、位ヶ原山荘で今ひそかに人気のお汁粉もバッチリ頂きました!
というわけで、私の最近のチャレンジの様子をお届けしました♫
ロードバイク、意外ですね!と言われることもありましたが^_^
私も周りで乗る人がいなかったら、やらないと思います。
バレエダンサーでロードバイクという組み合わせはなかなか無いかと思いましたので、貴重な乗鞍岳ヒルクライムの様子を記録しました。
私にとって、心肺機能のトレーニングには、平地でも十分にランニングより安全に行うことができるので、またどこかでトライしてみますね〜!