2月に新しいバレエ作品として踊る《不思議の国のアリス》。バレエとしては昔からある物語で発表会で踊られることもありますが、音楽も振付も先生の選び方次第に様々で、バレエ教室で披露される主題でした。
最近では英国ロイヤルバレエ団が初演したクリストファー・ウィールドン版が有名になっています。
実際にアリスのモデルになった少女との出会いがあったからこそ、出来上がった本だったのだというエピソードにも感動しました。実在のアリスもやがて成長していく…その姿に微笑ましくも寂しさがあったのではなかろうかと思わせられるのが、少し大人になったアリスを描いた『鏡の国のアリス』です。
私も昔から踊ったことがある物語ですが、この度今取り上げたいと思った理由は、不思議の国のアリス展で海外のモダンなテイストの作品を沢山観ることができたからでした。
時代を経て今もなおフレッシュな遊び心を感じられるのは、原作の豊かな世界観があってこそだと思います。
改めて新鮮な気持ちでアリスの世界観に触れたところ、こんなにも、アリスがスタイリッシュだったかな!?と気づかされるほど、物語の深みとキャラクターたちの個性にまた魅了されたのでバレエにしようと思いました。
ディズニー映画の不思議の国のアリスも昔から大好きなので、映画を持っています。
それでもやはり、大人の今だからこそ触れなおしたいのは原作の姿。
子どもの頃も好きだったけれど、あらためて今触れて気づくものもあります。ディズニー映画と原作は結構違うつなぎ方になっていますね。
世界中で愛される物語となったその所以はきっと奇想天外な夢の世界なのでしょう。イラストを見ているだけで、キャラクターの愉快な性格が伝わってきます。ただかわいい、きれい、といった印象とは違う姿で、近寄りがたさもあれば不気味さやドキドキも湧いてくる…そんな世界観が言語の壁を超えてたくさんの人々の心をつかんだのでしょう。
中でも、不思議の国のアリス展で予想外に印象に残ったのは、ダリの作品でした。
大人っぽくて、なんだかスマートな印象もあるアリス。見たことがあるはずで見たことがないアリスの世界。これこそダリの才能なんだなぁと、見ていてドキドキしました。
クールさもあるけれど、懐が豊かでとてもロマンティック。
描きすぎない空白がまた、ずっと見ていたくなります。
ディズニー映画の影響力は計り知れないインパクトです。
それでもそのイメージをさらに超えて、新しいアリスに出会いたい。
どこかで見たことがあるものを真似するよりも、ゼロから築き上げることのほうが何倍も頭を使い、心を弾ませます。
みなさんもぜひ既成概念を突破して、新鮮な視点を養う機会として、アリスの世界を楽しんでいただきたいなぁと思っています。
楽しみです!
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