《星彩歌》第九の音楽に込められた世界観を「ベートーヴェン・フリーズ」という絵にしたためた画家クリムト。
最後の接吻と合唱に包まれる風景に、クリムトはどんな夢を見ていたのだろう…
クリムトの参画していた芸術の一派は、新古典主義というグループで、当時としては前衛的な姿勢でした。
なので、壮大な思考を経て創作していたのではないかと思われます。
そうはいっても、私たちも芸術としてさらに立ち向かっていきたい。
たとえ大家の作品であろうと、怖気付くのではなく、自分の視点や感じたことを生かすのが芸術なのです。
私は創作にあたって、美術館や詩人シラーの言葉からもインスピレーションをかき集めた結果、「宇宙」がキーワードになりました。
(クリムト「ベートーヴェン・フリーズ」)
音楽を繰り返し聞き、ベートーヴェン、クリムトにつながるコンテキスト(背景)をひもといていくと、脳内では天空にふわりと舞う天女、神々しい光、雲上の世界、星々のまたたきが色鮮やかに広がったのです……
そして、作品のタイトルに「星彩歌」(せいさいか)という名前が浮かびました。
第九は知っていても、その音楽を踊ったことがある人はなかなかいないと思います。
実際に踊ると、音楽と自分自身の「接点」が生まれます。
どんなメロディ、リズム、間があるのかを肉体で感じることになります。
ただ受け身で鑑賞するのとは、大きな違いです。
初見では大変な踊りでもありますが、なにより「表現」を楽しむことを追求してレッスンしました🌟
終わった後の達成感は、格別でした!!
なかなかつかみどころの難しい大家の芸術を、少しでもみなさんの体になじみをもって「生きる芸術」として楽しんでいただけたらと願っています。