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バレエ「金平糖の精」どんな役柄で踊る?クララから見た“理想の女性”と可愛らしさを!

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クリスマスといえば、バレエでは「くるみ割り人形」です!

バレエを知らない方にも、有名な音楽が流れる名作ですね。

「金平糖の精」の踊りを演じることになったら、どんな役柄をイメージすればいいでしょうか?

ポイントを押さえてみましょう。

THE夢!きらびやかなお菓子の国

くるみ割り人形は、クリスマスの夜にクララ(ロシアではマーシャという設定も多い)という女の子が夢を見て王子と出会うファンタジーの世界です。

夜中に怖いネズミと戦った後に王子に連れてきてもらった、非現実的なほどに夢の中の夢の世界!

くるみ割り人形という全幕バレエの中でも、最後で一番名シーンとなる美しいバレエの見せ場になります。

お菓子に囲まれた世界というだけで「ファンタジー」の要素が満載ですが、そこでの主役が金平糖の精です。

金平糖のお菓子は、かわいいフォルムと甘みが特別感のあるスイーツで、まさにお菓子の国にぴったりの存在ですね。

金平糖の精は誰?クララ?女王?

金平糖の精は一体誰なのでしょうか?

これは演出によって異なります。クララ(マーシャ)という女の子が成長して金平糖の精になったという設定もあります。大人の女性に開花したクララは、王子と出会って本物のプリンセスになったようなストーリーです。

または、クララではない設定もあります。その場合は、お菓子の国に少女のクララがやってきて、金平糖の精とお目にかかります。まるで「不思議の国のアリス」で言うとハートの女王様に出会ったかのような圧倒的存在感ですが、金平糖の精はとてもやさしくて穏やかな女性です。幼いクララをやさしく包み込んでくれて、安心感を与えるところがお母さんのような包容力をも感じさせます。

バレエの発表会でお話が決まっているならそのイメージで役柄をふくらませてみましょう。でも、お話の設定が特になかったり、ソロで踊ると言う時には、自分の好きな設定から役柄を想像してみましょう。

いずれにしてもクララ(マーシャ)から見ると理想の大人の女性であるのは共通しています。うっとりと美しい舞いを眺めたくなり、自分もそんなお姉さんになりたいなあと夢を与えるようなバレリーナ。それが金平糖の精のポイントです。

チェレスタから生まれた甘いメロディー

金平糖の精の音楽は、チェレスタという楽器に合わせてチャイコフスキーが作曲しています。

チェレスタについて過去ブログ

くるみ割り人形 《金平糖の精》の音楽のひみつ - 天使の音色 チェレスタ - バレエヨガインストラクター三科絵理のブログ

フランス語の「セレスタ」とは「天使のような」という意味です。

鐘のような高い音でいて、とてもふんわりとした耳に心地よい音色が響きます。

金平糖の精のヴァリエーション - 「くるみ割り人形」 第2幕(Short Version): チャイコフスキー

金平糖の精のヴァリエーション - 「くるみ割り人形」 第2幕(Short Version): チャイコフスキー

  • スロヴァキア・フィルハーモニー管弦楽団 & ミヒャエル・ハラース
  • クラシック
  • ¥153
  • provided courtesy of iTunes

メロディーは細かくポロンポロンと流れ、リズミカルでありながら上品な可愛らしさを兼ね備えています。振り付けによっては、細かい足さばきや、パッセ、パドゥシャ、アラベスク などの定番のポーズが出てきます。シンプルなポーズであっても、つなぎの動きを洗練されていく必要があります。

シンプルなポーズから格式高さが引き出される

堂々と立派な女性のキャラクターを演じるには、下を向きすぎて頭がフラフラしないよう、頭の高さを安定させながら重心移動することが大切です。

また、つま先のポアントワークが見せ場でもあります。この作品は他と違い派手なテクニックやジャンプなどはほとんど少なく、アチチュードやアラベスク などのバレエの基本形をしっかりと見せていくのでごまかしがきかない踊りでもあります。(いや、ごかましのきくおどりというのは実際存在しないのですが… あえて言うならば!)だからこそ、大人初心者の方にもバレエ上達の良い練習になります。

急に難しいヴァリエーションになるとすぐに気を配ることができないかもしれませんが、できれば私の開催しているヴァリエーションレッスンのやさしい振り付けヴァージョンで、ポールドブラと顔の付け方をマスターするようにして整えていくと、徐々に振り付けの難易度が上がっても慣れていきやすくなります。(https://www.instagram.com/tv/CVozxaAgxcH/?utm_medium=copy_link

ドン・キホーテなどの派手な役柄と違い、「控えめでいながらも空気で伝わるクイーンの存在感」が金平糖の精の魅力のひとつです。

エレガントでも可愛らしさがある

エレガントに演じると言っても、ニュアンスの違いがあります。金平糖の精は優雅でエレガントですが「お菓子の国」の可愛らしさがポイントです。

重々しくなりすぎたり、ツンとしてしまうと、金平糖の甘い可愛らしさがそがれてしまうこともありますので、基礎をしっかり固めつつも、大人の女性の可愛らしさを忘れずに楽しんで踊ってみましょう。

金平糖の精は一度練習してみると、見た目以上の奥深さに「もっと上手になりたい」と何ヶ月も、何年も、じっくり踊っていらっしゃる生徒さんもいらっしゃいます。軽やかに見えてこんなにハードとは!というのが多くの方の第一印象です。

くるみ割り人形は子どものためだけの作品ではありません。金平糖の精の奥深さを知ってしまうと、鑑賞して学ぶ時も着眼点が変わってくることでしょう!