「バレエで脚をもっと高く上げられるようになりたい」というお悩みをよくお聞きします。
でも、なかなか鍛えるコツがわからず、困っている人も多いはず。
そこで、自力で一人でなんとかキープする筋力を鍛えていくためのコツとして、今回は横に上げる場合のやり方をシェアします。
ストレッチをするだけでは脚は上がらない
「何をすれば脚が上がるようになりますか?」と聞かれることがよくあります。
実は、バレエダンサーだけでなく、他のダンスや、スケート、空手などの脚をあげる競技をやっている方々にもよく聞かれます。
そこで、「何のストレッチをすればいいんでしょうかね?」と聞かれるのですが、
ストレッチだけでは脚は上がりません。
ストレッチができるのは、可動域を上げることです。
可動域を上げておくのは、脚を上げるための前提条件ですが、その前に…
今のあなたの可動域の限界の高さで、10秒以上キープできる筋力はありますか?
そう考えて見ると、多くの方が、筋力が足りていないということに気づきます。
ストレッチで可動域を上げるというのも、もちろん大事です。
また、ピラティスや腹筋のトレーニングなども、必要な筋力を補うことができます。
でも、なにより1番重要なのは、実際に脚を上げる回数をこなすことなのです。
実際に脚を上げたポーズになって初めて働く筋力がある
ピラティスや腹筋などのトレーニングも、もちろん筋トレの効果はありますが、脚を上げるのは全身運動です。
床の上で座ってVの字をキープする腹筋ができたとしても、実際に立ち上がって片足で脚を上げてキープするには、違う筋肉も使います。
片足で立ち続けるための足の筋力
不安定になりやすい体勢で骨盤と背骨を起こし続ける体幹の力
持ち上げた足の重力に引っ張られないよう抵抗する脇の筋力
など、実際に立ち上がって脚を上げるポーズをしないと、そのときになって初めて働く筋力が使えません。
また、バラバラに鍛えたとしても、同時にそれらの筋力を使うことを覚えさせなければならないのです。
一人で脚上げを練習するには?
とはいえ、先生がいないところで筋トレをしないといけない方も多いはず。先生がいれば、手で直してもらえたり、正しい形にすぐ直してもらえることでしょう。
自分一人で筋力をつけるための1つの方法として、自分の手で膝をサポートするやり方を紹介しています。
1. 膝を曲げて最大限に高く上げる
まずは、ひざを曲げて、持ち上がる高さの限界までぐぐっと上げてしまいます。はじめは手で持ち上げてもかまいません。
脚を上げるときは、膝の高さを先に持ち上げてしまうというのが、どんなときにも大事な法則です。
(このときにひざが思うように上がらない人は、柔軟性もつけましょう)
2. 膝の位置を変えないで伸ばす
膝をかかえた位置をキープして、低くならないようにキープをしながら、つま先を上に持ち上げて膝を伸ばし切ります。
伸びましたか?
これだけでも、かなりハードですよね。
しかも、ひざが伸び切らない人が多いはずです。
そのためには、太ももの前側の筋力が多少必要です。また、脚全体の重さを持ち上げ続けるための股関節周り(お尻)の筋肉も必要です。
レッスンでも、やっていただくと、もともと開脚ができる人でも筋力が必要なことに驚かれます。「こんなに大変だったのですね」「やり方がわかったからできるようになりたい!」ともおっしゃいます。
これを、3〜5回繰り返して、左右とも行うと、横に脚を上げる場合の効果的なトレーニングになることでしょう。
動画
柔軟性もつけるなら、横開脚・Y字バランスを
横に脚を上げるために柔軟性がもっと必要だと思ったら、横開脚・Y字バランスをやって相乗効果で鍛えていきましょう。
横の開脚
Y字バランス
自分の脚を持ち上げようとすると、いかに重たいかということを実感するもの。多くのバレエダンサーも、楽々と上げているように見えて、長年筋肉を鍛え続けた結果として楽に上げているように見せています。途方もなく大変に思えるかもしれませんが、バレリーナが脚をキープしている秘訣はそこにあります。
女性としては、しなやかな体というだけでなく、筋力が引き締まって、ヒップアップも期待できます。
日々のトレーニングの参考になれば、取り入れてみてくださいね。