自然には、美しさの原点を感じます。
太陽も、青空も、海も、緑も、星も、動物も、みな自然の恵み。
あらゆるものに意味があって、調和がとれていて・・・
花鳥風月という言葉のように、自然界のあらゆる生物や風景の中に、美しさの原点が詰まっているように感じます。
一方で、人間の手を使って創造した芸術的な美しさも、わたしにとっては、愛しく感じられます。
与えられた知性や感性を、何に、どのように使うか・・・。
まるで、与えられた食材を活かして調理するシェフのように、活かすも殺すも自分次第なのだと思います。
何に活かすかは人それぞれだと思いますが、私は、人間という生を受けたものにしか生み出すことのできない美しさを見出すことが好きです。
人間にしか生み出せない美しさとは、知性と感性の結晶のように思います。
クラシックバレエを好きな理由も、一つはそこにあります。
自然の摂理で授かった肉体を使い、知性・感性・体力を総動員させて、美しさを創造する。
舞踊とは、その究極を目指す行いのように感じられるのです。
それは、舞踊に限ることでないでしょう。
人として与えられた知性と感性を、純粋に美しく活かすこと。
たとえば、絵を描くこと。
音楽を奏でること。
言葉を紡ぐこと。
ものづくりをすること。
料理をすること。
心を込めて仕事すること。
愛情を注ぐこと。
どんなことにも通じる気がします。
大自然を目の前にすると、人間は、とてもちっぽけに思えてしまいますが、
自然界にいる膨大な種類のどんな生命が取って代わってもできない、
わたしたち人間にできることがある。
人間として生を受けたからこそ、どのように、美しく活かすことができるのか。
それに向き合うことが、自然に対して人間ができる恩返しであるように思います。