ヨガ哲学では、人生とはなにか、人はいかに生きていくべきなのか、という問いに対する答えとして
「しないこと」と「すること」が説かれています。
ヤマ(禁戒)とニヤマ(勧誡)といいます。
人生のタイミングによって得られる学びが変わっていくような、深い言葉が厳選されています。
古代インドで生まれたヨガ哲学は、深遠にみえて、日常生活に即していますので、
現代に生きるわたしたちにとっても、気付かされることがあるのではないでしょうか。
「ヤマ」 禁戒 しないこと
非暴力 アヒムサー
暴力をしない。
力を振るう動作だけでなく、言葉の暴力、心の中の暴力などもしないこと。
正直(不偽) サティヤ
嘘をつかない。素直。真実。
不盗 アヒムサー
盗まない。 物だけでなく、ほかにも大切なものはみな盗まない。
活力を無駄にしない ブラフマチャリヤ
やるべきこと以外に活力を無駄使いしない。
※ヨガは元来男性のものであったために、禁欲になって精力を無駄にしないことを説いていました。時代は変容しましたが、精神を本質のことに集中させることとも読み取れます。
不貪 アパリグラハ
貪欲になりすぎない。
必要以上に所有しない。執着しない。
「ニヤマ」 勧誡 すること
清潔 シャウチャ
体も心も環境も清潔にする。魂が清らかに宿っていられるように。
知足 サントーシャ
足るを知る。あるものに満足する。感謝する。
苦行 タパス
苦行や試練を受け入れる。
古典から学ぶ スワディヤーヤ
先人たちの知恵を自分の知に変えていく。
自然の摂理にゆだねる イーシュヴァラプラニダーナ
宇宙的な自然の摂理、神秘といったものに身をゆだねる。
以上の10項目です。
それぞれの意味は、多様な解釈が広がることと思います。
そして最終的には、誰かの言ったことを鵜呑みにするのでなく、自分自身で咀嚼して、自分の言葉で語るものです。
ここに書かれた以上に、自分なりの価値観や世界観を加えて、あなた自身のヨガ道を作りあげるようなつもりで向き合ってみてください。
これらのキーワードを自分なりに咀嚼しながら、自分自身の言葉で言い換えたり、語り直すことが、ヨガから得られる最高の学びです。