つぼみ開くときは
なにもかもが
みずみずしい
花びらひとひらの
質感すみずみにまで
満ちている
やがて
朝を迎えるたび
散りゆく朝が近づいていく
でも美しさは消えることなく
さらに円熟して
魅了し続けていく
折り重なった花びらが
乾きをみせても
自然の黄金比が成す
調和がより引き立っていくー
生きることは
手放すことでもある
どんなに多くを手放しても
何者にも、運命にも、
奪われることなく
残るものがある
この手に
この心に
この魂に
いったい何を残すのか
散りゆくときこそ
本質がたちあらわれる
散りゆくさまも、美しくあれ