バレエを始めて踊りの練習をしてみると、体の向きが、実はきちんと決まっています。
体の向きが真正面になるか、ななめになるか、その方向が決まっているのです。
”なんとなく〜こっちかなぁ” ではないのが、クラシックバレエです。
体を真正面にむけることを、アンファスと言います。
そして、斜めの方向を使うときは基本的に45度を意識します。
ここも、”適当に横むけばいいのかな〜”とかではないのです。
こんなに細いの!とツッコミたくなるかもしれませんが、これだけコントロールできるということは、表現の幅が広がるということです。
料理の包丁さばきにしても、絵画の筆のタッチにしても、匠の技術とは卓越されたコントロールが支えますよね。
クラシックバレエも、体をいかにコントロールできるか?がすべてなのです。洗練させる道のり、一つずつ頑張りましょうね。
それで、体の斜めを向いて5番ポジションするときがありますが、斜めの5番ポジションの組み方にも2種類あります。
これがまた、初心者の方にとってややこしいポイントです。
こちらの洋書の写真がわかりやすいので紹介しますと…
3人とも、右足前になっていますが、向かって左がクロワゼ、右はエファセです。(中央は真正面なのでアンファスですね)
クロワゼとは、左右の足が前から見て交差している形になります。
エファッセはクロワゼと似ているようで、実は交差していない形になっています。ひざで見分けるとわかりやすいかもしれません。
英語でも、クロワゼは”crossed”、エファセは"open" と書いてありますね。
「ん、微妙な違いだよ〜」と思いましたか?
これは、考えるよりも、目で覚えましょう♫
クロワゼとエファセを見分けられるようになるのが、大事なポイントです。
レッスンでも、足の5番ポジションから始まるときは、エファセよりもクロワゼが多いことでしょう。(バレエ美人塾レッスンでもそうです)
一概にはいえませんが、たいてい、踊りでも足を5番にして立つとき・スースー(5番のつま先立ちになった状態)はクロワゼを使うことが多いです。
クロワゼの方が脚全体が(目の錯覚か?)長く見えやすいので、舞台でもクロワゼになっていることが多いです。
↓こちらのパロマ・ヘレーラというバレリーナのスースーも、クロワゼになっているのがわかりますか?右足と左足がひざのあたりで交差していますよね。
↓こちらのジュリー・ケントというバレリーナのスースーも同じくです。
↓こちらの白鳥の湖の群舞でも、足の組み方はクロワゼです。足を後ろに出していますが、組み方を見る基本は同じです。
(とはいえ、エファセも大事なポジションなので、練習にも入れられますし、振り付けで出てくることもありますので、両方できることが大事です)
クロワゼを体で覚えていくには、反射神経でさっと反応できるようになりましょう。
「右足前5番のクロワゼ」と言われたら? 体(おへその向き)は、左ななめ前に。
「左足前5番のクロワゼ」と言われたら? 体(おへその向き)は、右ななめ前に。
はじめはみんな混乱します。
慣れてくると、体の向きを体が勝手に覚えてくれるくらい、自然にできるようになります。
そのためにもまずは「クロワゼ」と「エファセ」の違いを見分けられるようになりましょうね。