嘘つきの口に
鍵をかけたら
世界のすべての
苦しみと中傷は
愛と友情に変わるだろう(モーツァルト作曲オペラ「魔笛」より)
ロイヤルオペラハウスのシネマ配信で、オペラ「魔笛」を鑑賞してきました。
ちょうど、パンフレット画像の下の黄色い背景(太陽)が魔笛のワンシーンです。
全幕を見たことがなくても、この動画の夜の女王のアリアは聞いたことがあるのではないでしょうか。
(この予告動画よりもさらに演出がアップデートされていて、出演者も違い、衣装や舞台装置も一段と引き立つようになっていました。)
美しい音楽で歌い上げられる歌詞の言葉ひとつひとつに、心が洗われていきました。
物語では、音楽のもつ魔法が、不安や恐怖や憎しみにたじろぐ人々を、理知と愛に満ちた道へと導いていきます。
月夜が明け、太陽が世界を照らす情景は、平和な世界を願う気持ちも思わせるほど。
モーツァルトの創作背景には数々のインスピレーションがあったようです。
偉業の裏には、奇跡や偶然には頼れない、真摯に仕事に取り組む努力があったのですね。
モーツァルトは魔笛を作ってまもなく亡くなってしまいます。大人気の傑作を生み出してからすぐとは、いたたまれない気もしますが、モーツァルトの魂はオペラの中に生き続けていると感じます。
ロイヤルオペラハウスのシネマ配信は、オペラも、バレエも、とにかく愛が伝染してきます。
(世界中から、オンラインでパンフレットを見ることもできます。コンテンツの作り込みがとても丁寧。)
個性的な出演者たち1人1人の性格が伝わってくるから、笑えるし、共感できる。善悪の対比であっても、同情させられたりします。
女性指揮者ジュリア・ジョーンズさんは、同じ女性としてしびれるほどかっこよかったです。
ああもう終わるなと思ったら、寂しかったなぁ…。
舞台裏は壮大な規模のチームワーク。
芸術愛とお互いへの尊敬に満ちた現場なのが伺えて、携わるすべての人を尊敬します。
夜は闇でもあるけれど光の影でもある。
自分はどんな夜を愛しどんな光を照らしていけるのかな。
名作からいろいろ考えさせられた夜でした。