眠れる森の美女の「妖精のパドシス」のレッスンの最中に、作品の解説をして、機会があったらまた舞台のこの場面を観てくださいねとお話ししていました。
受講生さんが早速鑑賞しての感想をくださいました。
絵理先生
レッスンとレッスン動画の共有有難うございました。
レッスンはとても楽しく、学びが多く、充実感・達成感が大きくて、素晴らしいひと時でした。絵理先生のグループレッスン参加は、〇〇に続き2回目でした。
新作とのことで、前回のように予習画像もありませんし、音楽(私も大好きですが)も長い上、何というかテンポがゆっくりできっかけが取りにくいので、はたして私がついて行けるのか?かなり 不安だったのですが、絵理先生が(残り時間がわずかだったにもかかわらず)最後までベストを尽くして頑張っている様子に励まされて、私も最後まであきらめずついて行くことができました。とても楽しく充実感・達成感がいっぱいでレッスン終了後はとてもすがすがしい気分でした。
レッスンの最後に絵理先生が、「レッスンを受けた後作品を見るとまた違った感じで味わえますよ」
というようなことをおっしゃっていたので、さっそく、予習?としてみていた (先日バーミンガムを観に行ったのでその時の予習でもあったのですが)、ロイヤル、オペラ、(たぶん)スカラ(ロベルト・ボッレが出演しているもの)をこの場面だけ改めて観てみました。
観てみて改めて驚いたのは、絵理先生が、初心者・素人向けにアレンジしているにもかかわらず、作品の雰囲気をとても良く残してくださっていることです。
ロイヤル、スカラはあの場面をこんな風に踊っているんだ、とより細かく詳しく観ることができるようになりました。
また、何というか、ここはこういう雰囲気で体を動かすんだ、ということも、レッスンを受けた後だからおぼろげながらわかるようになりました。
絵理先生の曲のレクチャ(ふんわり優しい雰囲気で始まって~)もとても勉強になりましたし、合間合間の解剖学の胃袋の話や、ポーズの持つ雰囲気(○○という作品のこんなところで使われている)もとても楽しかったです。
そしてレッスン動画。自分の踊りを客観的にチェックことができるのはとても勉強になります。
それに、その場でわからなかったこと・忘れてしまったことを自分のペースで好きなだけ復習できるのはとても貴重な機会で有難いです。
次回もこのレッスンがあったら是非参加させていただき、次回はもっと余裕をもって音楽に合わせて皆と楽しみながら一つの作品を踊る喜びを共有したいと思いました。
ご感想ありがとうございます!
物語をどんな風に解釈するかは演出家・振付家・ダンサーの視点によって多少の違いはありますが、眠れる森の美女という物語を考えた時の妖精の存在意義をみなさんに考えて頂こうと思っていました。
眠れる森の美女の主役オーロラ姫が誕生したばかりの赤ちゃんのとき。
赤ちゃんが誕生するときはだれでも祝福をしますよね。
そして、この子が幸せに過ごせますように…と祈ります。
妖精たちは、赤ちゃんへの祝福と祈りの象徴。
だから、優しさの精、勇気の精、などと妖精の名前がついていて、その性質を授けてあげようとしています。
パドシスはこの妖精たちの全員の踊り。絶対的な幸福と輝かしい未来を願い、魔法をかけてあげるような踊りです。
赤ちゃんだからやさしく、大切に守ってあげるかのように、ふんわりと。
そして、物語のあらすじではオーロラ姫にカラボスという悪役が死の呪いをかけようとします。「針に指を刺して死んでしまうだろう」王・王妃・貴族たちは震え上がります。でも、妖精たち(主にリラの精)が呪いを無効にさせるために「死ぬのではなくて、眠るだけです。そして素敵な王子に口づけをされたら、その眠りから覚めることができる」という魔法をかけ直します。そこで、王・王妃は国中の編み針などを禁止して、オーロラが成長した16年後の場面に展開していきます。
こうした物語の伏線を踏まえ、ここでのパドシスをどのように表現しようかなと考えた結果、はじめは赤ちゃんを包み込む母性のような柔らかいやさしさを、そして後半では待ち受ける危機をはね返せる強さをもふくませることにしました。
チャイコフスキーの音楽も、どこかそんな雰囲気を醸し出すような、はじめはハープでやさしく、後半はオーケストラの盛大なハーモニーで、もしかしたらそういったことを考えて作曲していんじゃないかと思えるほどでした。(勝手な想像です。)
解釈はあくまでひとつの視点。だから押し付けるつもりはありません。
でも、与えられた振付をなぞって終わりにはしたくないので。みなさんに想像してもらってから踊りに取り掛かりたかったので、お話をしていました。
壮大な大人数の踊りなので、またレッスンで取り組みさらに深めて洗練させていきたい作品です。
前回いらしたみなさんも、次の機会を狙っていたみなさんも、また取り組んでいきましょうね。