ERIN BALLET ARTのデコルテカッティングが印象的な《Vネックリボン》のデザイン。このデザインが誕生するまでに、moeさんといろんなお話をしていたのですが、中でも「ロココ様式」がキーワードに上がったことでこちらのレオタードが生まれました。
以前に私が着ていたレオタードの中で、Vネックで胸元が開く形があったのですが、さらにmoeさんがERINに仕上げてみたいということで「ロココっぽい」というヒントがきっかけでした。
ロココとは…芸術様式で、建築様式や美術様式などにも示される用語ですが、イメージは《丸み》です。
ロココ様式が誕生した時代に重要な人物であったのが、マダム・ポンパドゥール(ポンパドゥール侯爵夫人)です。
ロココの時代の人気画家ブーシェも有名ですね。
ロココやブーシェというと、なんだか非現実のような夢のような世界で光降り注ぐ感じが個人的に印象的ですが、大きな特徴は何か。
絵画に描かれた女性だけでなく、建築や家具などにも共通することは、《丸み》を帯びているということです。
そう考えてみれば、絵画においても柔らかさや安らぎを感じませんか。男性的よりは女性的な印象ですね。
マダム・ポンパドゥールに話を戻すと、ルイ15世の公式寵姫(愛人)となった女性です。
幼少から知的で高度な教育を受けて、文化事業や政治的にも参画していた女性でした。
彼女が活躍した時代、フランスの貴族たちはルイ14世が崩御したことで、ルイ15世が即位し、ヴェルサイユ宮廷に常時勤務(泊まり込みで)する義務が長年あったのですが、ようやく解放されたことから、ロココ様式が生まれていきます。
それまでの見栄や威厳を示すような威圧的のバロック様式とは変わって、自分の邸宅でほっと安らぎを得る丸みのある内装にすることが流行したり、金色にやさしいパステルカラーを合わせたり、S字やC字のようなカーブを持たせたりします。
そうは言っても、現代の私たちからすると十分に豪華絢爛ではありますが…(笑)
ロココとは造語で、岩(ロカイユ)と貝(コキーユ)が組み合わさって、もともとは女々しい・甘ったるいといった意味をもちます。
徐々に発展してこの時代を代表する芸術様式にまで影響をもたらしたのです。猫脚の調度品もそのひとつ。
Canapé designed by Meissonnier for Count Bielinski, Warsaw, Poland (1735)
一方で、その前のバロック様式は、威厳を示すイメージが強くあります。
絶対王政のしかれた時代背景もあり、貴族たちも自分の富の大きさを見せびらかすような気持ちが大きかったようです。
バロック様式の建築
見比べてみると、ロココ様式の建築よりもずっしり、直線的に感じられますね。
芸術は美術も建築も音楽も舞踊もそれぞれが影響しあい、その土壌には時代背景が人類のストーリーを織りなしていることが実感されますね。
ロココという言葉にも親しんでいただきながら、ERIN BALLET ART のVネックリボンデザインを楽しんでいただけたら嬉しいです。