みなさんは踊るとき、どんな想像力を使いますか?
前回のクラブハウスでは、みんなで意見を出していました。
レッスンでのアンシェヌマンであったり、発表会の作品だったり、いろんな作品を踊るときにはいろんな想像力を使うと思います。
「音楽に合わせて…」
「心をのせて…」
「役柄をイメージして…」
などなど
いろんな側面があるかと思います。
これまでのArt & Ballet シリーズなどでは美しさや清らかさなどの表現が多かったりしますが、美しいものをイメージするのは多くの女性にとっては憧れや理想のイメージにも近いのかなと思います。
一方で、例えばバレエ作品でも複雑なテーマ、怒り、挫折、行き場のない感情などを表現することもあります。
そうすると、ただ綺麗にすればいい、とか美しくすればいいというわけでもありません。
例えば、行き場のない感情を踊るとしたら、みなさんはどうやって想像しますか?
例えば難民問題をテーマにしたクリスタル・パイトさんの振付でロイヤル・バレエ 「Flight Pattern」は行き場のない感情の類と私は思います。
自分達の住む場所がなく、途方に暮れて歩き続ける難民集団を踊るダンサーたち。時には子供を抱えていて、でも助からないようなシーンもありました。恐ろしいほどの強烈な一体感をまとった群舞には心を奪われて喪失感に襲われ、最後のかすかな希望の光がとても眩しく思えたものです。
美しいもの、幸せなものをイメージすることもあれば、音楽の曲想に集中することもあれ、世界的な社会問題や行き場のない感情をイメージすることもあります。
そう考えてみると、踊りを踊るというのはなかなかに味わい深いものだと思いませんか。
また、クラブハウスでも話したのですが、体操と踊りの違いがよくよく考えてみると境界線があいまいだなぁと今の私は感じています。
よくバレエ界では「体操じゃなくて踊りなのよ!踊りらしくしなさい」と芸術面を意識させるためにそういう言い方をすることがあります。
でも、体操や新体操などもバレエと似て体のポーズや身体機能の突き抜けた美学があるのではなかろうか?と。
美しさへの追求は共通点があり、バレエのテクニックが新体操にも入っていたりもします。
音楽性、演劇性、装飾性などではやはり踊りの方が重きを置かれるところですが、動きに対する考え方では境界が薄らぐようにも感じました。
踊りとはこういうもの、という観念も大切ではあるのですが、多角的な視点で見つめてみると、あらためてバレエとは何なのかが浮かび上がってくるかもしれません。
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踊るときってどんな想像力を使う?バレエルーム💕🔰OK!芸術・美学・解剖学ゆるく語る部屋 #13 - 愛と癒しのバレエCLUB - Clubhouse