バレエのグループレッスンの合間には、パーソナルレッスンもやっています。以前から継続されている方や、ふだんのグループレッスンから単発で受けてみたいという方もいらっしゃったりします。ヴァリエーションのレッスンをしたり、トウシューズの個別レッスンをしたり、毎回いろいろです。
発表会のために一緒にコツコツ練習していた方もいたり、新しい作品をやってみたくなったり、人それぞれの進み方があります。
バレエの道は一つではありません。
生徒さんの住む場所もお仕事も家族環境もみなさんまったく違いますが、バレエの時間は生徒さんにとって”人生で5本の指に入るくらい大事なこと”であったりするので、そんな自分のための時間をご一緒にサポートできるのは、とてもありがたいことです。
パーソナルレッスンだと、いろんな会話をすることがあります。
日常どんな生活をしていたかがふと話題になることもありますし、バレエに対する考え方や、ちょっと疑問に感じることや、少しモヤモヤすることなども打ち明けてくださったりします。
バレエをしていると、いろんな思いや考えがよぎることがあります。
バレエのテクニックとか、コツがあることならば、ぽんっと私も会話のキャッチボールを返します。そして、一緒に体の使い方を研究してみます。
すぐに答えが出ないことも、時にはあります。
正解がないことも、時にはあります。
時間が経ってわかることも、時にはあります。
それでもひとつ言えることがあります。
一人で抱え込まないで人に話してみると、整理されるということです。
できない、できない、という思いが募ってしまうと、全部できないような気分になってしまうことがあります。
でも、そんなことはないのです。
私の目線から見たら、全部できない人なんて、いません。
そもそも全部って何ですか?という感じです(笑)。
もちろん上級なレッスンで、テクニックを突き詰めるためには、細分化します。
一方で、学ぶ人(私も含めて)は誰しもが新しい挑戦者でもあります。やったことがない踊り、振り付け、テクニック、アンシェヌマンに出会い続けていくのがバレエの道です。
新しいことを覚えようとしている人に、日常とバレエの全く違うところをゼロから数え上げて、「これはできていて、ここができない、難しい」と、たくさんの塗り絵のマスがランダムに空いていて、レッスンでつぶしていくようなものですね。
なんかモヤモヤ停滞する気がする時や、ちょっぴり落ち込んでしまう時は、こういうマス目がおそろしく大きく見えたり、塗れているマス目が見えなくなっていきます。
自分を客観視することが難しいので、ちょっとの気分で見え方のピントがずれたり、ぼんやりしたり、モヤモヤで謎めいてしまいます。
そういうとき、人と対話をしながら自分の認識を整理していくことで、いつも見えていなかったことが見えてくるのです。
「いつもやっているときはここまでやっていなかったです」
気づくことで、次にやりたいことが見えてきます。これまでの道を振り返りすぎなくても、今から先を見据えましょう。
バレエはあなたにあう道を歩んでいけばいいのです。