バレリーナたちの肉体は、しなやかで美しい。 そんなしなやかさは、精神にも宿っています。
私が多くの先輩方から学び、自分自身が理想としている”しなやかさ”とは、強さと柔らかさが共存している状態です。
肉体の面でも、精神的な面でも、理想的なしなやかさを持ち続けたいと思っています。
もちろんまだ修行の身のつもりでおりますが、学びを自分の中で養い続け、バレエヨガのレッスンの中でも、エッセンスを秘めるよう心がけています。
強さと柔らかさ
強さは、私個人の思いですが、どんなときも自分自身を支え続ける強さ。多少の逆境があったとしても、負けない強さ。人生という舞台はバレエと同じように生もの(なまもの)ですから、何が起こるかわからない。それでも冷静に、自分自身を見失わずに、進み続ける強さです。
柔らかさとは、心で感じるあたたかさであったり、思いやりをもつことや、美しいものを美しいと感じる心の瞳・審美眼のようなものです。柔軟な肉体と同じように、柔軟な精神は、臨機応変にさまざまなことへ対応できる心の器でもあると思います。
強さと柔らかさを兼ね備えた先輩方に学んだこと
強さと柔らかさというと、どちらかというと、性質の異なるようなものに思われるかもしれません。強さというと男性的な力強さ、柔らかさというと女性的な感性のようにも捉えられるかもしれません。
でも、私がバレエを通して素晴らしい学びを頂いた、一流の先輩方は、男性も女性も、強さと柔らかさをともに兼ね備えたしなやかな精神をお持ちの方々ばかりでした。
バレエの世界は、競争やプレッシャーに負けない強さ、逃げたい・怠けたい・諦めたい気持ちの弱さに負けない強さが求められます。
それでいて、どんなハプニングにも柔軟に対応できる機転の良さ、作品を一緒に踊る仲間とのパートナーシップ、舞台上からお客様と心が通い合うようなコミュニケーション、愛情や思いやりに満ちた人間性などといった、心の柔らかい面も必要です。
予測不可能な現代社会でのしなやかな精神
強さと柔らかさは、今の社会を生き抜いている多くの人にとっても、通じることなのではないかと思っています。
予測不可能な出来事に出合っても 自分自身の軸を見失わず、心を通わせて生きていくには、しなやかな精神が支えになるはずだと・・・。
どんな業界の一流の方も、その人の中に素晴らしい精神をお持ちですが、バレエの世界でも同じだと思います。
舞台が酷評されようとも自分を見失わずにトップの座を守り通すバレリーナの精神力と、実社会で果敢な挑戦を続ける起業家・ビジネスパーソンたちの精神力は、通じているものがあると思えませんか。
体と心はつながっている。
だから、しなやかな体をつくることは、しなやかな精神をもつことにもつながっていく。 そんな風に感じています。
台風がこようとも倒れない、竹のようなしなやかさを持ち続けたいものです。