バレエのテクニック「ブリゼ」というジャンプを解説します。ふだんより個別の質問が多く、瞬時に上級的な足さばきを行いますので、自己流ではなかなか真似できない跳び方をしています。
ブリゼとは
ブリゼ(Brisé)とは、「割る」「こわす」という意味です。
5番プリエから、片足を前に振り上げなから飛び上がり、前屈みでスースーになってから瞬時で着地までに左右足を入れ替えて(=打ち合わせて ※後述)、5番プリエの形に戻ります。
ブリゼには、ブリゼ・ドッシュー Brisé Dessus とブリゼ・ドッス Brisé Dessous ーの主に2種類があります。ドッシューは「上に」ドッスーは「下に」という意味。動きの違いは、前に行うのか・後ろに行うのか、という点です。男性の踊りで有名なのは、「眠れる森の美女」青い鳥のパドドゥ のコーダ冒頭です。ドッシューとドッスーを繰り返しながら、アームスを鳥のように羽ばたかせ連続で飛び続けます。女性ダンサーにとっては、ドッシューの方が頻度が高いです。この記事では、ブリゼ・ドッシューを取り上げます。
「足を打ち付ける」とは?
足を左右入れ替える動きのことを、バレエでは「打ち付ける」「打ち合わせる」「打つ」と表現します。
とはいっても、かかとやくるぶしを叩き合うわけではありません。怪我をしてしまいますので、勘違いのないように(笑)
打ち付けることをバッチュ Battuと総称します。鞭のようなイメージで、すばやく足さばきを見せます。
アッサンブレやジュッテでも上級者はバッチュをします。
言葉で言っても伝わりにくいと思います…(笑)実際に跳んでいる映像はこちら。
ブリゼの動き方
画像を左にサッとスクロールすると、動画が表示されます。
跳躍中に左右の足を入れ替えるのが重要
一番肝心なところは、空中で左右の足を瞬時に入れ替えることです!
ブリゼの順序
右に向かって行うときは、左足前5番から
右足を前にジュッテさせて左足で床を蹴り跳ぶ
蹴り上げた右足に左足を後ろからピタッと合わせてスースー
全身は前屈みで腹筋を入れ姿勢を保つ
左足を前に入れ替えながら5番プリエにおりる
ブリゼのポイント
空中のつま先を両方とも伸ばす
姿勢が後ろに反らないように抱える
腕をバタバタさせない
5番の着地はつま先から下りる(かかとでドスンと落ちない)
前屈みをキープしながらも、巻き肩や猫背にならないで胸を開く
うまくいかないときは
ジャンプのピークでは足を入れ替え始める
ジャンプの滞空時間が長くなるように鍛える
内ももでバッチュ(スースーで左右足を入れ替える)の動きを鍛える
前屈みに耐えられるための体幹、腹筋、お尻、内転筋、ハムストリングスなどを鍛える
すべてを一息で流れるように終わらせられるよう心がける
呼吸を止めない
手足でバタバタせず、丹田から全身を動かす意識を鍛える
さて、バレエの「ブリゼ」の動きはいかがでしょうか?
ふだんのバレエレッスンでも練習してみてくださいね!