バレエヨガにたどり着く道のりについて、私自身の話だけれども書いてみようと思う。
はじめて、バレエ教室の門を叩いたのは、3歳のときだった。 華やかな衣装よりも、笑って踊ることがただ楽しい子どもだった。
10代の終わりをむかえて、
どこか、未だ見ぬ新しい世界を、ふと見てみたくなった。
なにか突破口がありそうな気がして、 希望を思えば、失うものは怖くなかった。
新しい世界に飛び込み、新しい人に出会うことは刺激的で、
世界観が広がったり、つながっていくのを感じていた。
同時に、自分は何者なのかを模索していたようにも思う。
’バレエしか知らない世間知らず’という負い目もあり、いつしか社会の常識になんとなく合わせようとしていた自分もいて、
やがて心身のバランスを壊して倒れてしまった。
闇に落ち込んだ自分にショックで、命を産んでくれた親には申し訳なく、世界中ではもっと最悪で過酷な理不尽さと隣り合わせで生きている人もいるだろうにと想像すると、もっともっと申し訳なかった。
でも、申し訳ない気持ちをまっとうするには、何よりもまず自分を立て直すしかなかった。バラバラになった心と体の合わせる方法は自分で見つけるしかなく、一生の涙の大半を使い果たした気がした。
救いは、ヨガだった。
まさに、心のせっけんだった。
いまこの瞬間の、かけがえのない自分の内に幸せがひそんでいること。ありのままを受け入れること。
頭ではなく、心で何度も何度もかみしめた。
あたたかくてやわらかい心の土台ができると、命をもう一度授かった気がして、幼い頃の原点を思い出した。
心と体がつながること。
踊りに夢をのせること。
笑顔を分かち合うこと。
”えりちゃん、一生勉強だよ。”
そんな言葉が似合う人生が、そういえば、小さなころから憧れだった・・・と。
人生は、どんな劇場よりも、かけがえのない舞台だ。
音楽が始まったら、他の誰でもない自分が踊り切る。
失敗したっていい。
ベストを尽くす姿が美しい。
無駄なことなんて無い。
大事な魂だけは失わずに、素直になればいい。
ときどき、踊りは好きだけれど恥ずかしい・自信がないとおっしゃる方に出会う。
でも、ご自分では気づいていなくとも、その人にしか出せない色の輝きが必ずある。
舞台上でなにかを発揮しようとしなくても、立っているだけで自然ににじみ出てくる。
それこそが、わたしたちを魅了する。
踊りも、人生も、同じことのように思う。
誰の人生も、二つとして同じものがない、かけがえのない舞台。
愛を込めて、 ”ブラボー!” をかけ合おう。
わたしたちの舞台は、すでにはじまっているから。