映画「うみやまあひだ ー 伊勢神宮の森から響くメッセージ」という作品を知っていますか。
自然を愛する気持ちを考えたい人、日本が古くからもつ伝統に触れたい人、日本人の山と海を愛するアイデンティティを感じたい人におすすめしたい映画です。
伊勢神宮の式年遷宮
伊勢神宮では20年に一度の「式年遷宮」が伝統的に行われ続けていて、平成27年3月にも執り行われたことで話題になりました。
古くなった社殿の隣に、新しい社殿を建てる式年遷宮は、遡ること約1300年も続いています。
想像できないほどの長い年月をかけて、その時代ごとに執り行われてきたことに、伝統の重みと厳粛さと神聖さが感じられます。
「うみやまあひだ」は、その伊勢神宮を主題にして、、”森は海の恋人”といったテーマで自然界の繋がりをわかりやすく説明された作品です。
伊勢神宮神職、宮大工、建築家、木材会社の経営者、研究者、料理人、映画監督(北野武さんも)というさまざまな業界の立場の方が、日本の森と海について語っていました。(http://umiyamaaida.jp/tagged/%E7%99%BB%E5%A0%B4%E4%BA%BA%E7%89%A9)
木を「扱う」ということ
公式サイトより
御材木を切り出すときは「木を寝かせる」。
木が倒れるときは「泣く」。
いにしえの日本人は、このように表現してきたそうです。
そうして木曽の山で寝かせた御材木を、川の流れにのせて歌を捧げながら運んでいきます。
もったいないんじゃない。木を守り続けなければならない。
公式サイトより
宮大工の小川三夫さんという方の語りで、こんな話がありました。
はじめ式年遷宮は木がもったいないことをしているんじゃないかと思ったけれど、それがあるから「森を守ろうとするんだ」と気づいた、ということでした。
それに心打たれました。
環境保護というと、伐採や無駄使いしてはならないなど、どうしても目先の消費に目を向けがちですが、 本質は「持続可能な仕組みを考えること」なんですよね。
その映画が伝えてくれたことは、地球すべてに通じることでした。
山の豊かな養分は、海に流れていきます。 それはめぐりめぐって、いろいろな命に変わっていき、地球を包み込んでいきます。
もともと日本は、森の豊かな国
日本の森林面積は6割、世界でも北欧に並ぶほど森の多い国なのだそうです。
でもその4割は、杉などの人工林と化してしまっているということを知りました。
それを聞いた時、ふとヨガ・リトリートを開催している乗鞍高原のことがよぎりました。 乗鞍高原には、原生林が残っています。 どれほど貴重な森なのかを痛感しました。 だからあの甘い空気が醸し出されるのだろうなぁ、と。
森の豊かな価値を、たとえ科学で解き明かさなくとも、 みんなが自然に心から感じられる社会でなければならない気がします。
そのためにできること、ひとつずつ積み重ねていこうと思えました。
予告編
公式サイト