もしも、あなたが女優だったとしたら、自分とは違う人生を生きる役柄を、どうやって表現しますか?
バレエ作品の役柄をじっくりとマンツーマンで表現する練習をしていくプライベートコースでは、役柄を演じることについても考える機会を設けています。
この作品はどんな物語なのかな?
この役柄は、どんな性格なのかな?
もしも、〇〇な場面ではどんなふうに振る舞うのかな?
そういった、役柄に対するイメージをふくらませていきます。
バレリーナは、いろんな作品にチャレンジしていきながら、役柄の持つ人物像を演じることで自分自身の学びにもつなげて成長しようと試みます。
これは、映画やドラマなどの女優さんにも通じることでしょう。
自分とはちがう境遇の人物を表現することで、今の自分には無い性格や長所を発掘するようなこともあったり。
あるいは、作品の持つテーマを通して自分の生き方も影響を受けたり。
それはバレエも同じなのです。
先日の記事にも紹介したロパートキナは、「愛の伝説」という作品を通して、愛とは何か?を考えるようになった話をしていました。
「愛の伝説」というバレエ作品を演じるチャンスが巡ってきたとき、昔はそこでの愛の意味がよくわからなかったのだそう。
でも、あるときにその役柄は「与える愛なんだ」と気づいてから、自分を犠牲にできる役柄の気持ちがわかるようになったそう。
だから今は「愛の伝説」は最も好きなレパートリーなんだそう。
バレエを踊る経験を通して、人生観や内面性にも学びを得る…それは、プロのバレリーナだけでなく、大人バレリーナであってもできること。
自分の意識次第です。
単に振り付けを真似して覚えるだけでは物足りない…そう感じている方は、ぜひじっくりと1つの役柄を踊り込んで演じる経験を作ってみてください。
恋する気持ち、愛する気持ち、悲しみを乗り越える気持ち… バレエを通してあらゆる人生を生きてみる。
素敵な楽しみ方であり、素敵な学び方ですね。