山岸涼子さんのバレエ漫画「アラベスク」みなさんは読んだことありますか?
私は、中学生くらいの頃に初めて読みました。それも、マンガは昔からほとんど読まなかったので、友達に「『アラベスク』って知ってる?」と言われて知ったという…友達に感謝です(笑)。
連載をリアルタイムに読んでいたという世代の方もいると思います。
物語は、キエフ・シェフチェンコバレエ学校の6年生、ノンナ・ペトロワという女の子が主人公。
バレリーナになるには身長が高すぎるノンナは、バレエの上手なお姉さんがいて、いつも比べられてしまうことに悩んでいました。
バレエっ子なら、よくある共感する悩みですよね。
そんなノンナに、ソビエトで素晴らしい男性ダンサーとして名高いユーリ・ミロノフという人が、ノンナのことを気にかけてくれます。
でも、ベタ褒めしてくれるわけではなく、ノンナの成長を見越して必要なことを的確に与えてくれるような先生。
言ってしまえばツンデレな感じなので、
「あれ…評価してくれたのかな…?いや、かんちがいかな…?」
というように、ノンナの心が揺れ動く。
次第にノンナが頭角が表すにつれて、成長していく傍でいろんな芸術家が出てきて、ノンナはたくさんの経験を積んで成長していきます。
小学校6年生というまだあどけない子どもだったノンナが、大人になってどうなるか…続きは読んでみてくださいね。
私が特にアラベスクで好きなのは、
ノンナや、いろんなダンサー、ピアニストたちが出てきて、彼女・彼らなりの芸術に対する考え方が人それぞれに違う様子が描かれているところ。
ただ振り付けを教科書通りに踊るのだけではなくて、いろんなバレエ作品の背景・役柄の感情を知ることができます。
作品を踊るにあたって「自分はどう考えるか?どう解釈するか?どうやって表現するか?」という心情も味わえます。
なので、大人バレリーナにも興味深いものです。
山岸涼子さんはバレエらしいラインの描き方がまず美しくて、「これは実際に踊るのが好きな人が描けるラインだな」と私は思います。関節や体の角度の描き方に、バレエ的な審美眼で見て、違和感がないんです。
(ロシア人だし、手脚長すぎて羨ましい〜ということはありますが。笑)
そして、ダンサーならではの感情の描写力がすごい。
複雑な自尊心、嫉妬。
高みを目指すも葛藤する感情の起伏。
バレエを知らない人でもその気持ちに共感させながら、
バレエの世界観を描ける漫画家さんは稀有な存在だと感じます。
ぜひ、「アラベスク」読んでみてはいかがでしょうか(^^)
私も久しぶりに読みつつ、読んだことない他の作品も探してみようと思います。
ちなみに…NHKの番組で、上野水香さんとこの漫画「アラベスク」が登場するようです。(再放送)BSが観られる方はぜひ。