上野のぼたん園で冬牡丹を観ました。
ぼろぼろとこぼれ落ちそうな牡丹。
私の手よりもずっと大きくて、ずっしり。
寒空の下、そっと藁のおうちの中で赤ちゃんを抱きかかえるかのように咲いていた。冬に咲くマリア様のよう。
名前もひとつひとつ品があるのですよね。
「島津紅」「海峰」「紫紅殿」「八千代椿」「花遊」「新国色」「黄冠」「連鶴」「鎌田藤」見立てる人の感性が表われるよう。
満たされ感、はんぱない…。
お花といえば、夏は薔薇かなと思ってしまいますが、冬の牡丹は寒い季節に咲くからこそ、ひときわ凛とした品格を感じます。
バレエ作品に自然の美しさや芸術・文化の歴史を織り交ぜて構想したいなぁと思っていますので、冬の牡丹をこんなにもじっくりと沢山の種類が観られて絶好のタイミングでした。
ろうばいも梅も咲き始めていて、2月のついたちに小春の香りを感じました。
季節の旬に触れるのは、忘れかけていた今日という日の豊かさを再認識させてくれる。
牡丹の花びらは薄くて柔らかくて、花を広げるまでにたくさんのエネルギーを使うのだろうな。そして重なり合った花びらたちが身を寄せ合いおしべを大事に囲っている。
薄い花びらたちはハンカチのように風になびいていました。
あとは写真に語ってもらいましょう。