先日は久しぶりに個人レッスンのためのティアラの出番がありました。
このティアラは作家さんに手作りしていただいたもので、グループレッスンでも全員につけていただけるように、デザインを統一させながら色違いも作製していただいた作品です。
ビーズやビジューがキラキラとセンスよく散りばめられ輝いており、毎回レッスン準備のため手をとるたび、心のこもったティアラに胸が熱くなります。
この日の生徒さんのコース修了日の最後の踊りは、本当に瞳が輝いていて、天使のような微笑みでした。これはプロが演じてできるものではなく、ご本人の心からの幸せがあふれて感動させるものでした。
個人レッスンでは、生徒さんの踊りたい作品・できるようになりたい内容を練習するためのレッスンをしています。
発表会の出番があるか無いかに関係なく、生徒さんご本人が踊りたい・バレエをしたいという夢を私のサポートできる中で実現できることはないか… そう考えた矢先の「踊りたい夢を叶えるレッスン」です。
周りの人の視線を気にする必要はない。
好きだと思える趣味を大事に磨いて育てていく楽しみを応援したいですし、私もそういう趣味をいくつも持っていますし、バレエ レッスンを通じてもみなさんとその喜びを分かち合いたいのです。
ときおり「発表会に出るわけでも無いのに振り付けをつけてもらうなんていいのかな」とおっしゃってくださる方もいます。
発表会に出るということは、とても特別なこと… 貴重な機会… たしかにそうです。
でも、私にとって、生徒さんが舞台で踊る機会があるかないかは、正直なところ大差がありません。
舞台に立つのことがバレエの最終目的ではなく、もっと底辺からの、日常から豊かで幸せな心をもつことが、私にとってのバレエ指導で目指すゴールだからです。
そう考えるようになったのは、ヨガとの出会いも大きく、ヨガマットの上だけがヨガでは無い、ヨガマットの外の「OFF The Mat」の時間もヨガなのだという考えからも影響を受けています。
発表会があることでさまざまな出来事が増えるかもしれませんが、発表会以外はどよーんとした日々になってしまうというのも違うかなという思いを持っているからです。
もう少し詳しく書いてみます。
「発表会の場以外では踊ってはいけない」というルールはどこにもないです。
むしろ人間は喜びを表現するために舞踊を古代からしてきたのですから、感情があって、舞踊が生まれてくるのが自然なことです。
他の人が踊る姿をみて、感化されて自分も踊りたくなるというのも感情から生まれてくる舞踊です。
でも、現代において、バレエ教室というものが形式化してしまっている部分があり、発表会という場に付随して教室運営がなされているために「大人の初心者から始めた人にとっては、バレエの発表会に出る以外は踊りらしい作品の練習ができない」という状況になってしまうことが多いです。
結果的に「発表会以外では踊る資格がない」というような認識が固定化されてしまうのだと思います。
発表会は先生方やお仲間やたくさんのスタッフやお客様の協力もすべてふくまれて成り立つもので、非日常の空間が出来上がります。参加費や衣裳費などお金もかかりますし、時間と労力もかけます。その日のために一生懸命やるということは素晴らしい経験です。
なにより劇場に立つという夢のような経験が味わえます。
とても大事なことです。
ただ、発表会の本番は年に一回くらいしかありません。
365日の1日ぽっきり、という方がほとんどでしょう。
発表会では好きな踊りができない人もいます。
発表会が終わったあと、燃え尽きてしまう人もいます。
また、発表会の練習が始まるまでは気が抜けてしまうという人もいるはずです。
つまり、なんとなく発表会という場におされて、ふだんのレッスンでももっと夢の世界が広がるような体験ができるかもしれないのに、発表会がよくもわるくも左右してしまっているケースがあります。
人によって、発表会に出ることにしたら人間関係が崩れてしまった・信頼関係が持てなくなった・緊張疲れでストレスがたまってしまった、というお悩みもよく伺います。
私自身も発表会というものが大好きでバレエを続けてきましたので、その価値はバレエ愛好家として同じく感じます。
でも一方で成長するにつれ、発表会という日よりもふだんのレッスンの大切さを実感し、むしろ面白さを感じるようになった、というのも大きな変化でした。
日常のレッスンは単調に見えるかもしれませんが、自分の取り組み方次第でいかようにも変わります。
そのためのバレエノートもご紹介しています。
「非日常だから特別な経験ができる」というだけでなく、「日常そのものが変わる」という秘めた可能性を見落とされてしまうと残念な気がします。
なんの変哲もないたんたんとした毎日は、本当に何も意味がない日ではないはずです。
過ごし方を変えてみたり、視点を変えれば、視野が開けてくることはいくらでもあります。
「発表会がないから、キラキラとした装いで踊ることはない」と決めつけてしまったらチャンスはありませんが、レッスンのスタジオで出来る・家で真似してみる・自分で公民館のスペースを借りて自習で踊ってみる・としたら、どうでしょうか。
「私にもできるかもしれない」という予感は、人を大きく成長させるのです。
コロナ禍では一層舞台の機会が減ってしまいました。
舞台に立つというのはとても貴重な経験で思い出もたくさんできます。
でも、延期になってしまったりしばらくは機会がない人もたくさんいることでしょう。
発表会という場にのまれ過ぎずに、ある意味冷静にとらえ、本来の舞踊の姿である「自分が踊りたい」という気持ちから生まれるバレエへの情熱こそが私は大切だと感じます。
バレエ教室に行けなくても、発表会に行けなくても、家で踊ってみる。それでも学べることはたくさんあります。
「夢の世界は遠くにあるのではなく、日常に眠っている」ということを忘れないで楽しんでいただきたいなぁと願っています。
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