一瞬、姿勢を伸ばしても、なかなか持続できない…という人は多いです。
なぜ、姿勢をキープできないのか。
それは、背筋を伸ばす筋肉を一時的に働かせたとしても、筋力不足でやめてしまうから。
例えば誰でも「身長測定で高くしたい」と思うと、その間は姿勢をよくすることができますが、終わってしまうと楽な姿勢に戻ってしまいます。
つまり、姿勢の崩れがダイエットのようにリバウンドしてしまうのです。
でもみなさんの中には、姿勢をよくするために筋力が必要だと知っていても、「筋力を鍛える方法がわからない」という人もいるでしょう。バレエダンサーたちは2〜3時間もの間舞台に立ち観客から見られていても油断せずに崩さないよう体を訓練します。でも、一般人は真似できないでしょう?と思われがちです。そこで、どんな風に体とメンタルを整えていくのか、バレエヨガインストラクターならではの視点でご紹介します。
姿勢を保つためのヒントは、筋肉の使い方
姿勢を保つための本当のヒントは、筋肉の使い方にあります。
「整体に行っても逆戻り」「すぐに疲れやすい」という人には、スモールステップで成功体験を積み重ねながら変化させていく構えが大事です。
美しい姿勢を保つ上達グラフ
一瞬でやめてしまう人は、一気に100%のパワーを出してすぐにやめてしまいます。
姿勢をよくする=力を振り絞ること、と体が認識してしまうと、長時間保つことができません。すぐにやめてしまいたくなります。
そうならないためには、30分持続できそうなくらいの「ゆるい力」で持続することです。30分というのは例え話ですが、逆に1〜2分程度の持続では現実的ではありません。そういう人はすぐに戻ってしまうからです。
「え!30分もできない」と思う人もいるかもしれませんが、がんばらないで持続させるためのスモールスタート。それくらいのゆるい力で、やめないように持続するところからスタートしてみましょう。
「そんなにゆるい力では意味がないのではないか」と思うかもしれませんが、姿勢づくりも慣れていくとスポーツのように上達します。
まずは、この5つを意識して、無理なく持続できるくらいの「ゆるさ」から始めてみましょう。
姿勢を整えるファーストステップ5つ
全身に糸をぴんと張るように上下に伸びをつくる
胸を突き出しすぎないで背骨が長くなるようにイメージする
ウエストをへこませて内臓を体の奥にひっこめるようにする
脚が長く見えるようにヒップを引き上げる
深呼吸できるように胸と背中で呼吸をするようにイメージする(肩でがんばらないこと)
シンプルなように見えるかもしれませんが、これは実際にバレエダンサーがアスリート並みの身体運動をするときにも原則にすることです。バレエダンサーたちはこれらをきめ細かい高品質なレベルで何時間も持続できるように訓練しています。だから芸術性の高いバレエパフォーマンスができます。
それと比べてしまうとがっかりしてしまうかもしれません。
でも、どんなに見た目が大きく変わったとしても、一瞬しか持続できないのでは意味がありません。
矯正器具をはめていればまっすぐにいられても、外してしまったら元通りになってしまうのも器具任せになってしまい、いつかリバウンドしてしまいます。なにかに頼ろうとしたり、依存しようとする心の癖は、体にも表れてしまいます。
姿勢の王道は、体の内から変わること
姿勢の真の王道は、外から変えようとするのではなく、体の内から変わること、そして自分自身から変わることです。
姿勢をキープする力は、身体意識をマラソンのように少しずつ伸ばしていきます。
初めからフルマラソンを走れる人はいません。体力がないうちはウォーキングから慣らしていくように、姿勢のキープも体慣らしが必要です。
ゆるくやっていると他の人にはすぐ気づかれないことも多いでしょう。それでも、大丈夫です!意識のマラソンだと思って、1分でも長く「意識」を持続できるようになることが重要だからです。
特に大切なことは、首と肩の緊張は取り除くことが大事です。
「姿勢をよくしよう」と頑張りすぎる人は、首や肩に強い緊張が入ってしまいます。そうすると疲れやすくなるため持続できません。
胸を前に突き出しすぎてしまうのも気をつけましょう。
特に女性はバストサイズが大きいと、肋骨の大きさを実際よりも大きく想像してしまう人が多いです。すると重心が崩れ、胸と胸を突き出して反り腰になってしまうことがあります。しっかりとあごを引いて、背骨を垂直方向に伸ばすイメージを基準にし、胸を突き出しすぎないようにしましょう。
自分でコントロールできるようになると、もっと改善させていくと「美しくなる」という成功体験がうまれ、やることに楽しさを感じられるようになります。
人前で立っても恥をかかないようになるだけでなく、「ちょっときれいに振る舞える自分」に気づくと、もっともっと姿勢のレッスンが楽しくなるのです。ファッションや美容が自分を美しくさせてくれると気づくと、楽しくてはまっていくのと同じように、姿勢もあなた自身を輝かせてくれるツールなのです。
では、どんなことからやってみよう?と思った方へ。
まずは、10分からでもおうちでできる姿勢レッスンをご紹介します。スマートフォンのタイマーさえあれば、いつでも一人でできます。ぜひやってみましょう。
おうちでできる10分間姿勢タイマーレッスン
テレビや映画を試聴しながら10分タイマーをかけてみます。視聴している間は、座っていてもいいので、姿勢を伸ばし続けてみます。ここでも頑張りすぎると疲れてしまうので、10分間持続できる程度のゆるさからやってみましょう。終わるまでやめないように続けることに集中します。
さあ、10分が経過しました。タイマーが鳴っていたときに、すっかり姿勢のことを忘れていたら要注意。もう一度やってみましょう。もしも途中で疲れてしまったら、体幹の筋肉が弱っているのかもしれません。のちに紹介していきますが、日頃からもエクササイズしましょう。
タイマーが鳴ってもまだ姿勢のことを覚えていて、しっかり体もキープしていたらレッスン達成です。よくできました!!
これは、一度できたからといって終わりにすることではありません。姿勢を意識し続けるためのこの10分レッスンを、たとえ毎日できなくても、1週間に1〜2回はレッスンしてみましょう。