バレエヨガインストラクター三科絵理のブログ

バレエヨガインストラクター三科絵理

モネの睡蓮からバレエを振付した話

2020年の冬ごろに Art & Ballet プロジェクトとして、画家モネの「睡蓮」から着想した《ニンフィア》というバレエを私が振付しました。

パリのオランジュリー美術館にてモネの晩年の最高傑作と名高い大きな《睡蓮》という連作を見たことで、そのときの感覚をバレエにしたいと思っていました。

Instagramで動画をのせてあります。

https://www.instagram.com/reel/CsRCt2dgahf/?igshid=MTc4MmM1YmI2Ng==

創作していたときのブログより

パリの睡蓮の空間を思い浮かべながら、こんなことを考えていました。

淡くにじみ
浮かびゆく色彩は
漂う空気までも
染め上げていく

睡蓮の美しさをまとう
自然のニンフ
動と静のゆらぎが
水面を舞う

まるで水面が揺れているかのような感じ。

水面に映っている色彩が空気にとけてにじんでいるのではないかと思った感じ。

水面や風の動きを感じつつも、静けさがあり、動と静のバランスが共存している感じ。

そんなことを考えながら短い一曲に込めました。

この作品を作る前から、シルフィーヌさんでは、2020年2月頃ERIN BALLET ART というブランドを制作され、私のバレエ表現からインスパイアされたデザインをシリーズにしてくださり、その最初の柄の一つがモネの睡蓮の柄にそっくりの青いレオタードでした。

ERIコラボのアーティスティックなバレエブランドが生まれました ERIN Ballet Art

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春色バレエウェア!Sylphynes ERIN BALLET ART

とても懐かしいです。長く読者でいてくださる方は、見覚えのあるサムネイルかと思います。

気に入ったので、不思議の国のアリスでも着ました。

この頃は2020年のコロナ禍が始まって政府による強い自粛期間が終わった直後でしたので、まだ行動の規制が多かった時期でした。

そんな中で、バレエレッスンを再開しながら、新しいバレエ作品に夢を込めたいと思った頃、2020年3月に観たばかりのパリの睡蓮を思い出したのです。

睡蓮を描いたモネが生きていた頃も、ヨーロッパでは近現代へと社会が変革していく時期で、世界大戦が起きたりもしていました。

ちょうど1世紀経つ私たちの今の時代にも、コロナウイルス発生や、ウクライナとロシアの戦争が起こったりと、変動の大きい時代を生きています。

作品を作って最初にレッスンしてから2年ほど月日が経ちました。

あらためて、2023年にはバレエ・キャンプで踊るのにちょうどいい作品だと思い出しました。

というのも、乗鞍には水辺の素敵なスポットが複数あるのですが、その一つの千鳥池という場所は、地元の方の暮らしに近いほっこりとしたロケーションでありながら、隠れ家の憩いの空間となっている池があるのです。まさにみんなの心の庭のようです。

地元の方の中には、ここでそっと家族と一緒におやつを持って遊びに来たり、一人でそっと本やノートを開いて心の整理をしたり、ぼーっと景色を眺めてゆっくりコーヒーを飲む、といった過ごし方もされていると聞きました。

私も体験させていただき、まさにモネの庭みたいだなぁと思っていたのです。

モネのバレエを作る頃にはまだ誕生していなかった「バレエ・キャンプ」と、パリで偶然みることができた「睡蓮」がつながったのです。

好きなことを表現にしながら、のちに点と点がつながって線になっていく、それが皆さんと共有することでレインボーになっていくのを目の当たりにしているようで、奇跡のような自然の流れを軽やかに駆け抜けています。

バレエは踊り続けていくことで、作品が成長していきます。

いろんな人にご覧いただき、踊っていただき、感じたことをまた他の人にもお話しいただいたりすることで、小さな連鎖が大きな世界観を作っていきます。

それが文化が成長するということだと思います。

今年もどんな体験が待っているか、楽しみです。

ちなみに、5月のバレエ・キャンプでは、他にも Inner Forest を踊ります。

Inner Forest - 森で踊るバレエ Ballet in the primeval forest

こちらを作った時も地元の方々に受け入れていただけたことが嬉しく、アルムの真弓さんは涙を流して見てくださったり、森林整備をされている皆さまにも名前を覚えてくださっていたり、とてもうれしかったです。

森を守る人たちに会ってきた!乗鞍森林整備・高原の植物を守るための外来種駆除活動