バレエヨガインストラクター三科絵理のブログ

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ダリの《不思議の国のアリス》からバレエへのヒントに。再びレッスンを6/18に開催します!

Art & Balletシリーズの《不思議の国のアリス》画家ダリの世界からインスパイアしたバレエ作品のレッスンを久しぶりに復刻で開催します!

6月18日(日)新宿にて14:30 - 16:30です。

http://ptix.at/SJh764

バレエで《不思議の国のアリス》を作るまで

《不思議の国のアリス》は、本・映画ともに大好きなストーリーでいつか独自に振り付けを作ろうとしていた作品でした。

でも、ディズニーなどをそのまま再現するのでは独自性がないので、せっかくArt & Ballet なのだから私自身の中でイメージを広げようと思い、さまざまな芸術家・アーティストの表現する《不思議の国のアリス》にも触れました。

そこでシュルレアリスムの画家として知られるサルバドール・ダリの作品に出会い、私の中で《不思議の国のアリス》のイメージの殻がパカっと割れたのでした。

創作してから、2020年2月21日に初めてレッスンを開催し、そのあとコロナ禍が始まってしまったので、なかなか踊る機会が少なかったのです。それにも関わらず、多くの参加者さん・フォロワーさんが《不思議の国のアリス》を覚えてくださっていました。とても嬉しいことです!

YouTube サブチャンネルでも振り付けまでのエピソードを紹介しています。


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ダリの《不思議の国のアリス》に出会ったときの直感

私がバレエ作品に立ち上げるまでの大きなきっかけになったのは、2019年横浜・そごう美術館で観た「不思議の国のアリス展」でした。( 不思議の国のアリス展 )

原作の初版が誕生から、ディズニー映画ができるまで86年。その後も多くのファンが世界中に増えていき、20世紀〜21世紀の数々の芸術家の絵画、インスタレーションなどがありました。私自身も子供の発表会で踊ったことがあったのですが、ディズニー音楽にのせた振り付けでした。

オリジナルに考えていきたいけれど、ディズニーの影響は強すぎる… どうしてもチシャ猫のにやにや歌うところや、お花が歌うところや、ハートの女王とトランプのクリケットのシーンなどが浮かんでしまいます。創作活動において既成概念を外すというのは、意識してできることではないので、意外と難しいことです。

ダリの挿絵を見た時になぜインパクトが大きかったんだろうと振り返ると、「最も想像がつかなった世界」になっていました。

1969年ダリ挿絵の『不思議の国のアリス』 第12章 アリスの証言

私自身もディズニー映画を見て育っているので、アリスといえばこういうイメージ、という既成概念が出来上がっていました。

もちろんディズニーでのイメージや音楽やミュージカル調の世界観は大好きなのですが、自分がオリジナルに手がけるにあたっては、既成概念を壊さなければならなかったのです。

だからこそ、原作者はどういう気持ちでどんなふうに作っていたのかを知りたかったですし、そこを起点として、どんなアーティストがどんなタッチで描きなおすんだろうということに興味を持ちました。

私がバレエとして独自に作るのも、そういったフィールドにのせたいと思ったからです。

第2章 涙の池

ダリが描く挿絵は、タイトルを見ないと何のシーンなのか分からないくらい飛び抜けています。挿絵としては「最も説明していない」とも言っていいのではないでしょうか。

ふつうの絵本ならば、文章で分からない事項を絵で説明している方が多いでしょう。

でも、ダリの挿絵を見ていて、「アートとは説明しないといけないわけではない。むしろ説明的な表現ばかりでは面白くない」という発見を得ました。

よくみると、色彩豊かな一枚一枚の中に小さなアリスが黒く線で描かれているのですが、なぜか縄跳びをしています。

第8章 女王様のクロッケー場

ダリらしく奇抜と抽象が入り混じっていますが、きちんとロマンティックさも感じられました。

これを観て、私の中でモヤモヤと考えていた何かがパカっと割れたのでした。

そこからは音楽もスムーズに決まり、楽しく振り付けを考えて完成しました。

大人っぽくて、なんだかスマートな印象もあるアリス。見たことがあるはずで見たことがないアリスの世界。これこそダリの才能なんだなぁと、見ていてドキドキしました。 クールさもあるけれど、懐が豊かでとてもロマンティック。

大人になってまた好きになる。アリスの世界 - バレエヨガインストラクター三科絵理のブログ

2019年の不思議の国のアリス展での写真撮影可能なコーナーより、現代アーティストの作品も多数展示されていました。

その後、2022年にも「特別展アリス」という不思議の国のアリスにまつわる似た美術展が開催されていました。

2022年 六本木・森美術館にて 特別展アリスへんてこりん、へんてこりんな世界

またきっと日本でこのような展示が数年おきに実施されるのではないかと思いますので、みなさんも機会があったらぜひ出掛けてみてください。きっと楽しめるはずです!

特別展アリスと、ダリの不思議の国のアリスを振付した思い出。 - バレエヨガインストラクター三科絵理のブログ

不思議の国のアリスにまつわるエピソード

不思議の国のアリスが最も有名なのは、ディズニー映画(1951年)ではないかと思われますが、 原作者ルイス・キャロルによってお話が誕生したのは1865年です。2023年現在では、158年前ということになります!1903年には初めての実写で無声の映画が作られており、当時から大人気だったお話です。オペレッタ・ミュージカルになったり、バレエでも昔からたびたび演じられるテーマです。

私としては、ルイス・キャロルが実際に身近な子供であったアリスという女の子に、面白おかしく聞かせていた話が元となったということも、魅力のポイントだと思っています。

過去のブログにもまとめた記事がありますので、ご興味がありましたらご覧ください。

1832年 ルイス・キャロル(ペンネーム)誕生 本名はチャールズ・ラトウィッジ・ドッドソン 1851年 オックスフォード大学入学 1855年 23歳ごろから数学教師を始める 1862年 30歳ごろ アリスたちリデル家三姉妹にお話を聞かせる。「地下の国のアリス」書き始める 1865年 「不思議の国のアリス」初版(扉ページには1866年と記載) 1871年 「鏡の国のアリス」初版(扉ページには1872年と記載) 1886年 オペレッタ「不思議の国のアリス」初演 1898年 ルイス・キャロルがインフルエンザの肺炎で亡くなる(65歳) 1903年 初の映画化(無声の実写映像) 1933年 パラマウント社の映画化 1934年 アリス・リデル亡くなる 1951年 ディズニー映画誕生 1969年 サルヴァドール・ダリの挿絵による「不思議の国のアリス」 2019年時点で170ヵ国以上に翻訳され、絶版することなく出版され続けている

「不思議の国のアリス」の歴史 実在のアリスとルイス・キャロル - バレエヨガインストラクター三科絵理のブログ

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実際に踊ってみたいという方は、ぜひ6月18日のバレエレッスンへもお待ちしております!

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